F1エミリア・ロマーニャGPが今週末イモラ・サーキットで開催される。シャルル・ルクレール(フェラーリ)は今回からレースエンジニアが変更されると以前発表されていたが、この人事に対してルクレールの関与はなくチームが決断を下したのだという。

 ルクレールはフェラーリへと移籍してきた2019年シーズンからシャビ・マルコスとコンビを組んできた。しかし5月上旬にフェラーリはそのマルコスが異動となることを発表。後任にはルクレールのパフォーマンスエンジニアを務めてきたブライアン・ボッツィが据えられた。

 フェラーリがこうしてシーズン途中にレースエンジニア交代を行なうのは、2006年ヨーロッパGPでガブリエッレ・デッリ・コッリの後任としてロブ・スメドレーがフェリペ・マッサの担当となった事例以来となっている。

 非常に稀なシーズン途中でのレースエンジニア変更だったため、多くの憶測が生まれることとなった。そしてルクレールがエンジニア変更に関わっていないと明らかにしたことで、この件に対する注目がさらに高まった。

 レースエンジニアの変更について、そのきっかけとマクラーレンやレッドブルとの戦いの中で行なわれることのリスクについてルクレールに尋ねた際、彼は次のように語った。

「言うまでもなく、前方も後方もとてもタイトで、様々なことで違いが生まれてくる」

「ただこの決定は、チームとシャビの間で行なわれたことなんだ。彼らは別のプランが頭にあったんだろうけど、僕に伝えられたのはマイアミ戦の後だった」

「とはいえ、後任になるブライアンは僕がフェラーリに入ってから一緒にやってきた人だからね。これまで僕のパフォーマンスエンジニアをやってくれていたから、彼のやり方などは良く分かっている。ゼロから始めるわけじゃないし、しっかりと再適応できるだろう」

「これまではとてもスムーズだったし、その形で続けていけると思う。今週末から僕らは100%でやっていけると思うよ。それが僕から言えることだ」



 フェラーリはレースエンジニアの変更の背後にある彼らの考えについて、事細かに説明はしてこなかったが、エミリア・ロマーニャGPを前にフレデリック・バスール代表が理由を説明した。

「ブライアンは私が来る前からここにいて、シャルルと長期間一緒にやっていた。非常に強い技術的な協力関係を築いているんだ。彼らはお互いを非常に高く評価している」

 バスール代表はそう語る。

「私は、これがブライアンにとっては通常のステップだったと思うし、我々が継続的な改善をしてるのはあなた方もご存知のことだろう。我々はブライアン(を据えること)が我々にとっての前進だと考えた。結局のところ、我々は1000分の1秒を争っているんだ」

「どこかほんの少しでも良いものがあると感じたのなら、今のままでいるのではなく、それをやってみようとするのはいつであれ良いことだ」

「私はブライアンが非常に優れた人間だと、心から信じている。彼はこのクルマでの経験もあれば、クルーとしても経験を積んでいる。チームの皆のことも知っているし、適応はとても簡単だろう」