レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、motorsport.comのインタビューでレッドブル系ドライバーの将来について言及。トップチーム昇格に向け厳しい状況にあるダニエル・リカルドに関する質問にも答えた。

 今季のRBは、角田裕毅が特に際立ったパフォーマンスを見せている。ここまで7戦を終えて4回の入賞を記録しており、ランキング10番手。一方のリカルドはマイアミGPのスプリントで4位という活躍を見せたものの、その他のレースではポイントを獲得できていない。

 マルコは以前、かつてレッドブルで7度の優勝を記録したリカルドがトップチームへの返り咲きを果たすためには、角田裕毅を倒す必要があると明言していた。ここまで7戦を終えて、リカルドはもう手遅れな状態なのかと尋ねられたマルコは、次のように語った。

「まずはポジティブな話からしよう」

「リカルドはマイアミのスプリントレースで4位に入った。そこではフェラーリの(カルロス)サインツJr.に対して見事なディフェンスを見せて、素晴らしいレースをした。これが土曜日の出来事で、その時角田の方は何番グリッドかは忘れたが(15番グリッド)、比較的後方からポイントにこぎつけた」

「日曜(決勝レース)に向けた予選では正反対の結果となり、リカルドがQ1で落ちた一方で、角田がQ3に進んで良いレースを見せた。リカルドは見せ場も作れずに後ろの方でもがいていた」

「こういったパフォーマンスの食い違いは不快にさせられるし、やはり彼(リカルド)が(レッドブルに)戻りたいのであれば、明確な差をつけて角田を倒さないといけない。今年は残念ながら今のところ、このスプリントを除けばそうなっていない」

 またmotorsport.comドイツ版の質問により、話題はアルファタウリ時代のRBが角田とミック・シューマッハーのコンビになる可能性があった、という話に移った。2023年にピエール・ガスリーがアルピーヌに移籍した際、その後任としてシューマッハーが検討されていたというが、一部報道ではマルコがそれに難色を示したとされていた。

 これについて尋ねられたマルコは、報道が正しかったとしつつも、シューマッハー個人に問題があったわけではないと説明した。

「ただ彼個人とは全く関係がないことだ。彼はとても雄弁で礼儀正しく、チャンスがあったと思う」

「ただ彼の年齢とバックグラウンドを考えると、彼は“フェラーリボーイ”であり、そこのプログラムに入っていた。そのため、シンプルにアルファタウリと我々の当時のジュニアプログラムの全体的なイメージに合わなかったのだ」

 そのシューマッハーは現在アルピーヌからWEC(世界耐久選手権)に参戦しているが、シューマッハーは来季のRBにとって関心のある存在なのかと問われると、マルコは明確に「ノー」と答え、ジュニアドライバーが優先されると語った。

「我々には優秀なジュニアドライバーが控えている」

「リアム・ローソンがいる。F2には(アイザック)ハジャーがいて、彼は間違いなく最前線だ。F3にも16歳の(アービッド)リンドブラッドがいる。我々は非常に優位な立ち位置にあるし、リカルドの例を除けば我々は(基本的にはレッドブルの)ジュニアチームであるべきという方針だ」

 なお、これらのインタビューの完全版は『Formel1.de』のYouTubeチャンネルで25日(土)に公開される。