県の海洋総合実習船「宮城丸」(699トン)が26日、石巻港から出航した。宮城水産高(石巻市)と気仙沼向洋高(気仙沼市)の生徒計34人が2カ月間、小笠原諸島沖などで航海技術やマグロはえ縄漁を学ぶ。
 宮城水産高の佐々木安弘教頭は出港式で「長期間の航海に期待と不安が入り交じっているだろう。協力し合って有意義な実習にしてもらいたい」と激励。同高3年の高橋竜輝さん(17)は「親元を離れての船内生活は初めて。成長を楽しみに待っていてほしい」と意気込んだ。
 孫が乗船する東松島市の奥田明生さん(73)は「船乗りだった自分と同じ道を目指す孫が誇らしい。無事に帰ってほしい」と目を細めた。保護者らは船に乗り込む生徒にカラフルな紙テープを渡し「元気で頑張れ」などと呼びかけ、遠ざかる船を見送った。
 実習船は5月6日に小笠原諸島南東海域の漁場に到着し、6月1日までマグロはえ縄漁を行う。11日に那覇市の那覇港に寄港後、21日に石巻港に戻り水揚げをする。