近年まれにみるメガヒットを記録した『涙の女王』。このドラマで、キム・ジウォンと共に最高の主人公に扮したのがキム・スヒョンだ。今年の彼の活躍は見事だった。そんなキム・スヒョンは1988年に生まれている。

この他にも、1988年に誕生した韓国芸能界の男優の顔ぶれが凄い。パク・ソジュン、テギョン(2PM)、チョン・ヘイン、イム・シワン……などとなっている。「長幼の序」に厳格な韓国では「同年齢」という事実は特別な意味があるので、1988年生まれのスターたちもそれぞれに特別な絆を持っているはずだ。
彼らが生まれた1988年とはどういう年だったのだろうか。ズバリ言えば「伝説のソウル・オリンピック」が開催された年であった。
韓国は1988年9月に開催されたソウル・オリンピックを成功させて国際社会で存在感を高めることができた。それだけに、記念すべき重要な年であり、その時代の雰囲気は、傑作ドラマでも再現されている。
まさに、パク・ボゴムが大ブレークするきっかけになった『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』だ。このドラマの中でも、1988年の華やかなオリンピックの成功がノスタルジックに語られていた。

象徴的な年男

こうしたソウル・オリンピックの後には海外旅行も自由化されて、多くの人たちが世界各国に出かけて貴重な経験を持ちこんできた。
それが韓国社会の活性化に大いにつながった。たとえば、エンタテインメントの世界でも、ドラマ・映画・音楽に携わる人たちが海外で熱心に学んで、そのキャリアが生かされていった。そうした流れの中で、1990年代以降に大衆文化のレベルが一気に上がったのである。
あらゆる意味においても、ソウル・オリンピックの成功が契機になっており、そんな年に生まれたスターたちが今年36歳になったというのは、とても感慨深い。
彼らが象徴的な年男となり、俳優として「なんにでもチャレンジできる脂がのった時期」を謳歌している。これからの活躍も大いに期待できる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)