去年1月、博多駅前で元交際相手の女性を殺害したなどの罪に問われた男が21日に行われた4回目の公判で「自首を初めにしておけばよかった」と述べました。

第4回公判での裁判員の男性「寺内さん、すぐに自首しなかったのはなぜですか」

寺内進被告「頭が真っ白になってどうすればいいかわからなくなってしまい、自首を初めにしておけばよかったのですが、なぜか行けなかった」

事件直後の心境を振り返った寺内進被告(32)。

起訴状などによりますと寺内被告は去年1月、JR博多駅前の路上で、つきまとい行為が禁じられていた元交際相手の川野美樹さん(当時38歳)を包丁で刺し、殺害したなどの罪に問われています。

21日福岡地裁で開かれた裁判員裁判の4回目の公判で裁判長や裁判員らからの被告人質問が行われ、改めて、事件当日のことを振り返りました。

裁判員の男性「(事件当日)被害者に話しかけたりしちゃいけないという考えはなかったのですか」

寺内被告「興奮していたので考えていなかったです」

事件からおよそ1年半。5キロほど痩せたという寺内被告。

裁判長から現在の健康状態を尋ねられると。

寺内被告「人としゃべっていないので会話がわからなくなっています人見知りみたいになりました」

その後、寺内被告の心理鑑定をした臨床心理士への証人尋問が行われ、11回にわたる面接での心理テストの結果について証言しました。

私の失敗は福岡に来たこと、私が思い出すことは事件のこと、もう一度やり直せるなら事件の前日に戻りたいとつづられていました。

臨床心理士は寺内被告について小中学校時代、父親からの身体的暴力を受けるなど養育状況が悪かったと指摘。

自我の形成が未熟であるなどとして重度のPTSDの疑いがあると指摘しました。

28日に判決が言い渡されます。