兵庫県丹波篠山市の城下町地区で「ルートイングループ」が進めるホテル建設計画を巡り、住民3人が市の開発許可の取り消しを求めた訴訟の判決が27日、神戸地裁であった。龍見昇裁判長は建設計画などに違法性はないなどとして原告の訴えを退けた。

 訴状によると、ホテル建設予定地は、市条例に基づく計画で規定した「歴史環境形成区域」で、同区域では建築面積千平方メートル以上の商業施設の開発などを原則禁止している。ホテルの建築面積は1500平方メートル超だが、市は例外的に許可し、住民らは「許可は(市の)裁量を逸脱した違法なもの」などと訴えていた。

 龍見裁判長は、市条例に基づかない計画を特例的に認めた市の判断について、まちづくり審議会から「市民生活の安定や産業の発展に資する」などと特例を容認する答申を受けており、「合理的」と認定。土地利用基本計画と開発行為の不整合など原告側が訴えた違法性は否定し、市の許可手続きにも違法性はないとした。

 判決後、市は「主張が全面的に認められた。ホテルが市の観光振興に役立てば」とコメント。原告側は「丁寧な検討を欠いた判決だった。まちを、景観を守るため、控訴して闘い続ける」としている。