倉敷美観地区周辺には、藤棚が多くあります。

倉敷市の市花が「藤(ふじ)」の花のため、鑑賞できるよう毎年整備されているそうです。

阿智神社の「藤見の会」で藤に魅せられた私は、晴天に恵まれた2024年4月25日(木)にカメラを持って倉敷美観地区周辺の藤棚を散策してきたので、そのようすを写真と共に紹介します。

倉敷国際ホテル前

倉敷美観地区の入り口に、大きくそびえ立つコンクリートの建物があります。

倉敷国際ホテルと藤棚

倉敷国際ホテルです。

倉敷国際ホテル前には、紫色の藤が垂れ下がった藤棚があります。

倉敷国際ホテル前の藤棚

4月25日は枯れ始めている部分もありましたが、まだまだ見頃な花もいくつか見られました。

阿智神社

倉敷国際ホテルを後に、美観地区を5分ほど歩くと阿智神社が見えてきました。

阿智神社には「阿知の藤」と呼ばれる日本一の巨樹アケボノフジがあります。

阿知の藤

このアケボノフジは300年〜500年もの樹齢を誇ることから岡山県の天然記念物にも指定されており、2024年4月20日と21日は阿智神社を会場に「藤見の会」が開催されました。

阿知の藤の藤棚
阿知の藤

「藤見の会」当日は咲き始めだった阿知の藤も、4月25日は満開を迎えていました。

阿知の藤とツツジ

阿知の藤の傍らにはツツジも咲いていて、明るく染まった阿智神社は藤の香りが心地良く、平日の日中にもかかわらず多くの人が阿知の藤を鑑賞しに来ていました。

もうしばらく見頃が続きそうです。

倉敷アイビースクエア

阿智神社の階段を下って、東町のほうへ10分ほど歩くと赤煉瓦の建物が見えてきました。

倉敷アイビースクエア

倉敷アイビースクエアです。

アイビースクエアの白いヤマフジ

倉敷アイビースクエアの駐車場脇、城山稲荷大明神の横にも藤棚があります。

アイビースクエアの藤色のヤマフジ

こちらの藤は「ヤマフジ」という品種。通常の藤は蔦(つた)が右回りに巻きつきますが、ヤマフジは左回りに巻きつく品種のため、陽当たりの調整に工夫が必要です。

例年はゴールデンウイークあたりに見頃を迎えるそうですが、2024年4月25日はほとんどの花が枯れてしまっており、一部の花だけ見られる状況でした。

倉敷アイビースクエアの植物を管理しているかたの話によると、今年は例年よりも大幅に早い開花で4月17日頃に見頃を迎えたそうです。

倉敷市芸文館

倉敷アイビースクエアから美観地区方面に5分ほど歩くと、倉敷国際ホテルに似たコンクリート造りの建物が見えてきます。

倉敷市芸文館と藤棚

こちらは、倉敷市芸文館。クラシックコンサートや演劇用のホールとして市民に親しまれている施設です。

実は倉敷市芸文館と倉敷国際ホテル、そして倉敷アイビースクエアはすべて、倉敷出身の建築家 浦辺鎮太郎(うらべ しずたろう)および、浦辺鎮太郎が設立した「株式会社浦辺設計」が建築設計に携わっています。

芸文館の前にも、大きな藤棚が2つあります。

倉敷市芸文館前の藤

4月25日は、どちらの藤棚も小ぶりの花を中心に藤棚の中を彩っていました。

倉敷市役所

倉敷美観地区からは自転車で5分ほどと少し距離がありますが、倉敷市役所本庁舎にも藤棚があります。

東側駐車場前の藤棚
東側駐車場前の藤棚

場所は、屋内駐車場前東側駐車場前の2か所。

4月25日は、前日の大雨の影響もあってか散ってしまった花もありましたが、写真のようにきれいな花も見られました。

屋内駐車場前の藤棚
屋内駐車場前の藤棚

屋内駐車場前の藤棚は花の数は多くないものの、高さ66mを誇る倉敷市役所本庁舎の塔と藤の花を一緒に撮影できます。

この赤煉瓦が特徴の建物は、倉敷アイビースクエアと似た作りになっています。

なんと、この倉敷市役所本庁舎もまた、浦辺鎮太郎の建築なんだとか。倉敷の街全体にどこか「倉敷らしさ」を感じられるのは、統一感のある建築物の影響もあるのでしょうか。

おわりに

今回は阿智神社の「阿知の藤」の開花に合わせて藤巡りをしましたが、藤棚によって藤の品種が異なったり陽の当たりかたが異なったりするため、2024年4月25日は場所によって見頃を過ぎてしまっていました。

しかし、見方を変えると倉敷の藤はそれぞれに見頃が異なるため長い期間にわたって楽しめるのではないかと思います。

来年は、藤棚ごとにベストな時季をねらって満開の藤とともに倉敷らしい建築や風景を楽しみたいです。

著者:高石真梨子