近年、国産のジャパニーズウイスキーが世界中で人気を集めており、その魅力を伝えるウイスキーイベントが日本各地で開催されています。

2019年、倉敷でも「倉敷ウイスキーフォーラム」が開催され、中国・四国地方で最大規模のウイスキーイベントになったそうです。県外から訪れる参加者も多かったと聞きました。

そのような人気イベントが今回5年ぶりに復活し、私も人生初のウイスキーイベントに参加してみました。

貴重なウイスキーはもちろん、普段なかなか目にすることのないお酒にも数多く出会えた倉敷ウイスキーフォーラム。当日のようすを紹介します。

倉敷ウイスキーフォーラムとは

倉敷ウイスキーフォーラム

倉敷ウイスキーフォーラムは、2024年3月24日(日)に倉敷アイビースクエアで開催されたウイスキーの試飲イベントです。

日本全国からさまざまな蒸溜所が参加しており、オリジナリティのあるジャパニーズウイスキーを無料で飲み比べできます

一部の試飲は有料

入場チケットは当日券が5,000円で、前売り券は4,500円でした。

試飲以外にも、ご当地名物が集まるフードエリアや、豪華な講師陣のウイスキーセミナーなど、お酒好きにはたまらない内容ばかり。ウイスキーだけでなく、クラフトビールやカクテルを提供するブースもあるので、いろいろなお酒を楽しめます。

イベントの詳細は公式サイトをチェックしてください。

第1回倉敷ウイスキーフォーラムは2019年に開催され、平成30年7月豪雨の復興とウイスキー文化の発展を目指して企画されました。県外からも大勢のウイスキーファンが訪れるほど、大盛況だったそうです。

今回は2回目となり、コロナ禍が明けて初めての開催です。

当日のようす

イベント当日、私はお昼ごろに倉敷アイビースクエアに向かいました。
あいにくの雨でしたが、春休みシーズンなので倉敷アイビースクエアは観光客で賑わっています。

倉敷アイビースクエアの入り口
倉敷アイビースクエアの入り口

会場に向かう途中、倉敷ウイスキーフォーラムのパンフレットを持った人たちとすれ違いました。すでにウイスキーを楽しんだ後でしょうか。みなさん顔がほんのり赤く、ほろ酔いで楽しそうです。

会場に入り、まずは受付でチケットを購入します。手首にリストバンドを巻いてもらい、パンフレットと水のペットボトルを受け取りました。お酒のイベントでチェイサーをもらえるのは個人的にありがたかったです。

渡されたパンフレットとペットボトル
渡されたパンフレットとペットボトル
参加者に着けられるリストバンド
参加者に着けられるリストバンド

企業エリア

まずは一番広い企業エリアに足を運んでみます。

企業エリアのようす
企業エリアのようす

想像以上に多くの参加者がいて圧倒されましたが、壁際に並ぶウイスキーの数々に引き寄せられ、自然に人混みのなかに溶け込んでいきました。

最初に立ち寄ったのは、入り口近くで出店していた、海外のレアなウイスキーを取り扱う株式会社スリーアローズです。

株式会社スリーアローズの出店
株式会社スリーアローズの出店

ここでは世界的ミュージシャンのボブ・ディランが監修したヘヴンズドア」というシリーズのウイスキーを試飲しました。

「ウイスキーにあまり詳しくないのですが……」と店員さんに伝えると、飲みやすいウイスキーから順番に注いでもらいました。試飲の量はショットグラスサイズのカップにひとくち分くらいです。

ヘヴンズドアの試飲
ヘヴンズドアの試飲

店員さんから説明を受けながら飲み比べしてみると、それぞれの味の特徴がより実感できました。どのようなタイプのウイスキーが自分好みなのか、新しい発見がありそうです。

ボトル1本あたりの販売価格は9,000円〜15,000円。普段だとなかなか気軽に飲み比べできない金額ですが、ウイスキーフォーラムだからこそいろいろな味を楽しめました。

海外のウイスキーを味わったので、今度はジャパニーズウイスキーを探して会場内を歩いていると、「岡山」という文字を見つけました。

岡山蒸溜所の出店
岡山蒸溜所の出店

2番目に立ち寄った岡山蒸溜所は、岡山市内にある総合酒類メーカーの宮下酒造が設立した蒸溜所です。宮下酒造は岡山地ビールの独歩ビールなども製造しており、会場内では独歩ビールも販売していました。

ここでは200円の有料試飲の「岡山トリプルカスク」を注文してみます。

岡山トリプルカスクの試飲
岡山トリプルカスクの試飲

トリプルカスクの意味を店員さんに尋ねてみると、「カスクは樽という意味で、トリプルカスクは3種類の樽をミックスして作ったウイスキーのことです」と教えてもらいました。たしかにミックスだからこその風味豊かな味と香りです。

新しいウイスキーの知識を得ると誰かについ話したくなりますね。

岡山蒸溜所ではジンやウォッカなども試飲できました。試飲の量は少なめでもお願いできたので、気軽に全種類飲み比べできます。

クラフトジンとウォッカが並ぶ
クラフトジンとウォッカが並ぶ

私は酔い防止に配布されたペットボトルの水をゴクゴク飲んでいましたが、会場内には至るところに給水スポットがあったので自由に補充できました。安心してお酒が飲めます。

会場内に設置された給水スポット
会場内に設置された給水スポット

ウイスキー以外にも、和三盆で製造された口当たりなめらかなラムや、ゆずこしょうをイメージした純国産リキュールなど、今まで出会ったことのないお酒を堪能できました。

日本全国の個性豊かなお酒や海外のレアなウイスキーを楽しめる企業エリアでした。

フードエリア&カクテルブース

小腹が空いたので屋外フードエリアを覗いてみると、相変わらず雨が降っていましたが、ちらほら行列ができています。

屋外フードエリアのようす
屋外フードエリアのようす

倉敷市内でも有名な飲食店が出店しており、どの料理を食べようか悩みましたが、香ばしい匂いに誘われてひるぜん焼きそばを購入しました。

ひるぜん焼きそばの出店
ひるぜん焼きそばの出店

焼きそばをつまみにお酒を飲みたくなり、屋内フードエリアにあるカクテルブースに向かいます。

無料のカクテルブース
無料のカクテルブース

なんとカクテルブースで提供されるお酒も無料です。私はジンバックを注文しました。

クラフトジンのジンバック
クラフトジンのジンバック
できたてのひるぜん焼きそば
できたてのひるぜん焼きそば

味の濃い味噌だれのひるぜん焼きそばと、爽快感あふれるジンバックの組み合わせがたまりません。良いお酒を気兼ねなく楽しめてぜいたくな気分です

会場内にはテーブルや椅子も設置してあったので、ゆっくり食べられました

会場内を散策

お腹がいっぱいになったところで、腹ごなしも兼ねて会場内を散策してみました。

BARエリアに行ってみると、企業エリアの賑わいとはまた少し変わって大人な雰囲気が漂います。

BARエリアのようす
BARエリアのようす

BARブースでは、貴重なウイスキーの数々を有料試飲で楽しめます
私は今回注文しませんでしたが、後日、イベントに参加していた知り合いのバーテンダーさんに「一期一会のウイスキーとたくさん出会えた」と教えてもらいました。プロのかたから見てもレアなウイスキーが集結していたんですね。

BARエリアを出てすぐの廊下には、今回のイベントのオリジナルグッズが販売されていました。

廊下の物販ブース
廊下の物販ブース
イベントオリジナルのトートバッグ
イベントオリジナルのトートバッグ

おしゃれなイベントロゴが印刷されたトートバッグは普段使いにも良さそうです。

グッズを眺めていると、突然周りの人たちがざわざわし始めました。みんなの視線の先をたどってみると、廊下の奥からバグパイプを抱えた男性が歩いてきます。

バグパイプの生演奏(奏者:山形道弘さん)
バグパイプの生演奏(奏者:山形道弘さん)

バグパイプの生演奏があることは知っていましたが、これほどに間近で聴けるとは思いませんでした。

スコットランドの伝統楽器“バグパイプ”の音色を聴きながらウイスキーを楽しめるのは、このイベントならではの体験ですね。

おわりに

私はウイスキーの知識がほぼないまま参加しましたが、詳しくないからこそ新たな知識や雑学を知られて、よりウイスキーを楽しめるようになりました。
良質なお酒を飲めただけではなく、店頭には並ばないような珍しいお酒に数多く出会えたのも良かったです

ウイスキー以外のお酒も飲めるので、お酒好きの人なら飽きずに丸一日イベントを堪能できそうです。

今回も大盛況だった倉敷ウイスキーフォーラム、これからも中国・四国地方を代表するウイスキーイベントであってほしいと思います。

著者:岩佐りつ子