スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えたとき、外したタイヤはどうやって保管するのが良いのでしょうか。また「縦置き」と「横置き」はどちらが好ましいのでしょうか。

タイヤの保管「縦置き・横置き」どう違う?

 3月に入って気温が高くなる日も増え、春の訪れを感じるようになってきました。
 
 地域によっては、雪道や凍結路を走行するために装着していたスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)から、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)へ履き替える人も増えるものと思われます。また逆に冬を迎える時も、同様にタイヤ交換が必要となってきます。
 
 ところで、外したタイヤは再び装着するまで、どこでどのように保管しておくべきなのでしょうか。

 ゴム製品であるタイヤは、直射日光や熱、水分に弱く、それらが劣化スピードを速める原因になります。寿命をなるべく長くするためには、使わないときに適切な方法で保管することが大切なのです。

 そのうえで気になるのは、保管するときのタイヤは「縦置き」が良いのか「横置き」が良いのかという点です。実際、どっちが良いのでしょうか。

 これは、ホイールを外して保管するのか、ホイール付きで保管するのかによって異なります。

 まず、ホイールを外して保管する場合、タイヤを縦置きするのが良いでしょう。なぜなら、タイヤ単体で横積みすると、一番下のタイヤのサイドウォールに荷重がかって、グニャグニャに変形する危険性があるからです。

 逆にホイール付タイヤの場合は、縦置きはあまりおすすめできません。タイヤ単体だけでなくホイールの重量が下向きにかかり続けるため、長期間の保管となるとサイドウォールに負担がかかってタイヤが潰れる原因にもなります。

 ホイール付きタイヤを横置きで上に積み上げると、荷重がホイールを通して分散されるため、タイヤの変形を防ぐことが可能です。

タイヤの適切な保管場所はどこ?

 さて、タイヤの正しい保管方法は、屋内で保管するのか屋外で保管するのかによっても変わってきます。

 まず屋内保管の場合は、タイヤカバーなどを取り付けて風通しが良い場所を選び、タイヤの下にスノコなどを敷くことで床に色が着くことを防止できます。

 一方、屋外保管の場合は、紫外線や熱、雨などからタイヤを守るためにタイヤ専用のカバーを装着すると良いでしょう。

 もちろん屋内保管と同じく、スノコなどを敷いてタイヤが地面と直接触れないようにすることもポイントです。また地面から浮かすことで、水溜まりなどからタイヤを守ることができます。

 なお、タイヤを保管する場所がないという人は、有料の「タイヤ預かりサービス」などを利用すると良いでしょう。

 タイヤ預かりサービスは、タイヤを積み下ろしする必要性もなく、業者が次のシーズンまで保管しておいてくれるので、盗難の心配もなくなります。

 ただし、利用するには事前予約が必要です。3〜4月、または11〜12月といったタイヤ交換が混み合う時期は予約が取りにくいことがあります。利用する場合は業者に早めに確認することをお勧めします。

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 保管前のタイヤは、タイヤの汚れを取ってしっかり乾燥させておきましょう。

 タイヤに汚れが付着したままだとホイールがサビたり、ブレーキダストがタイヤやホイールに固着して除去できなくなる可能性があるためです。

 さらに、タイヤワックスに含まれる化学物質(石油系溶剤など)がタイヤの劣化を進めてヒビ割れを引き起こす原因となるので、ワックス類は塗らずに水洗い後にしっかり乾かすだけで問題ありません。

 また、通常の空気圧で保管すると、タイヤに内圧がかかってゴムがひび割れたり、変形することがあります。そのため、少し空気圧を下げて保管するのが良いでしょう。