元祖「高級SUV」としても知られるトヨタ「ハリアー」。現在は4代目となっており、直近では2022年9月に一部改良が行われたことでガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドと豊富なスタイルを展開します。一方で同じく高級SUVとして新型「クラウンスポーツ」の登場が控えますが、ハリアーの販売動向は現在どうなっているのでしょうか。

元祖高級SUV! トヨタが誇る「ハリアー」の現在はいかに

 トヨタ「ハリアー」といえば、人気の高級SUVとして幅広い層からの人気を博しています。
 
 現在は4代目となっており、直近では2022年9月に一部改良が行われたことでガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドと豊富なスタイルを展開します。それでは、現在の販売動向はどうなっているのでしょうか。

 ハリアーは、高い走行性能と豪華な装備が特徴で、国内だけでなく世界中で高い需要があります。

 初代モデルは1997年に発売され、2020年からは現行となる4代目が販売されていおり、見た目は従来モデルに比べてサイズアップがされていますが、全高は低く設定されました。

 様々な種類が存在するSUVの中でもより都会派なデザインであり、静寂性の高いラグジュアリーな乗り心地を楽しめるクルマに仕上がっています。

 4代目は、2020年6月17日に発売され、直近では2022年9月に一部改良がおこなわれました。

 一部改良による変更点は、安全装備の強化や、新しいデザインのディスプレイオーディオが採用されるなどがありましたが、PHEVが追加されたことが大きなポイントとなっています。

 そんなハリアーの一部改良から約8か月が経過しましたが、現在の販売状況はどうなのでしょうか。関東圏内のトヨタ販売店担当者は次のように話します。

「2022年9月の発表から現在まで、一貫して売れ行きは好調です。

 特に最上級グレードのZグレードを中心にかなりのオーダーがありました。ただ現在、Zグレードは受注を停止しています」

 ハリアーのグレード展開において、「G」グレードでもオプションによって、ホイール以外はZグレードとほぼ同じ装備をすることが可能です。

 しかし、Gグレードに装備した場合、結果としてZグレードの価格と同程度の金額となります。そのため、最初からZグレードを購入する人が多いことが予想されます。

 また、関西圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。

「ハリアーのような人気車種は一貫してリセールバリューが高いです。

 そのため、納車まで時間がかかったとしてもそれを待って買うといったお客様が多いです」

 ハリアーは、中古車市場のなかでも比較的高価に取引されます。そのため、新車を高額で購入してもあまり価格を落とさずに売却できるといった傾向にあるようです。

 加えて、Zグレードであれば、売却の査定時にシートの素材など、加点されるポイントも多いため当然ベースグレードより高くなります。

 そのため、新車の価格が多少値を張っても上級のグレードの車種を買う人が多いようです。

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 そんな人気を誇るハリアーの納期に関して前出とは別のトヨタ販売店の担当者は、次のように話します。

「ガソリン車、ハイブリッド車ともに2024年2月頃になります。しかし、これは『S』と『G』のグレードの納期になり、『Z』グレードは受注停止しています。

 また、Gグレードの『レザーパッケージ』のモデルも現在は受注を停止しています。PHEVの場合は、2023年10月頃に納車が可能です」

さらに高級感ある! ハリアーPHEVはどんな状況なのか?

 2022年9月の一部改良にて、歴代の中で初めてPHEVが設定されました。

 見た目では、ガソリン車/ハイブリッド車のグリルが横基調のブラックグリルなのに対し、PHEVはツヤありブラック塗装のメッシュグリルを採用しています。

 さらにドラミラーやリアルーフスポイラーのサイドにブラック、リアバンパーのメッキモールはスモークメッキを採用するなど存在感がありながら、上質なエクステリアとなりました。

 インテリアは、インパネからドアトリムにかけて、金属メッシュ質感のダークレッドパイピングオーナメントを採用。その他も基本は「Z レザーパッケージ」と同じ仕様ですが、PHEVでは後席にもシートヒーターが装着されています。

 そんなPHEVの売れ行きはどうなのでしょうか。前出の関東圏の担当者は次のように話します。
 
「Zグレードが好調に売れていったなかで、同じZグレードであるPHEVのモデルはそこまで販売台数が伸びていません。

 PHEVは全国的にオーダー数が少ないため、どの店舗でも同じような状況にあると思います。

 ガソリンやハイブリッドのモデルに比べると、同グレードでも販売価格が100万円程高くなるというのもあり、他グレードのほうが人気です」

 またPHEVについて、関東圏の別の店舗では次のように話しています。

「PHEVは、やはり車両価格がガソリンやハイブリッドよりも高価な他、現状では充電インフラが整っていないとそこまでメリットがないというお客様が多いです。

 もちろん大容量バッテリーを搭載するので乗ればその良さは分かるのですが、中々購入までには至らないようです。

 またトヨタのPHEVは、RAV4、ハリアー、プリウス、クラウンスポーツと種類が豊富です。

 それぞれ個性がある他、SUV+PHEV+走りでこだわる人は2023年秋に登場が予定されているクラウンスポーツを気にしている人もいます」

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 PHEVの価格は620万円となり、ハイブリッド車の最上級グレードの514万8000円よりも100万円以上高い設定となっています。

 しかし、専用の内外装や装備に加え、モーターによる加速の良さやEV走行可能(EVモードで93km)な点など、100万円の差額を埋める価値は十分にあると言えそうです。