元祖「高級SUV」としても知られるトヨタ「ハリアー」は、2022年の販売台数ランキングにおいて18位にランクインしています。決して安いとは言えない車両価格にも関わらず、高い支持を受け続けるハリアー魅力とは一体どこにあるのでしょうか。

元祖高級SUV! トヨタが誇る「ハリアー」の魅力とは

 トヨタのミドルサイズSUV「ハリアー」は、ラグジュアリーな都市型SUVというカテゴリーを世界に先駆けて創出した、まさに元祖「高級SUV」とでも言うべき存在です。

 4代目となる現行モデルは、モデルライフ4年目に突入する現在においても変わらず幅広い層からの人気を博しており、2022年の合計販売台数は3万4182台と、普通車全体の18位にランクインしました。

 ベースグレードの312万8000円から最上級のPHEVの620万円という価格は決して安いとは言えませんが、今なお根強い支持を受け続ける4代目ハリアーの魅力は、一体どこにあるのでしょうか。

 ハリアーは、まるで高級セダンの車高を上げたような快適で見晴らしの良い室内空間を備え、歴代を通じて高い走行性能と豪華な装備、スタイリッシュなスタイリングを特徴とするクルマです。
 
 そんなハリアーの初代モデルが発売されたのは1997年のこと。当時はSUVといえばまだ悪路走行を重視した「クロスカントリー車」が中心で、トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」など都市での走行を重視した「オンロード向けSUV」というジャンルが認知され始めたばかりという状況でした。
 
 そんななか、乗り心地や舗装路でのハンドリングなどに優れたオンロード向けSUVをさらに発展させた形として、ラグジュアリーセダンのように豪華な仕立てと快適性の高さを重視したSUVという新しい価値観を初代ハリアーが開拓。
 
 現在ではそういったオンロード向けかつ高級感あふれるSUVが一般的ですが、当時はSUVといえば泥まみれになって悪路を駆け巡るイメージが当然だったため、ハリアーの提案した世界観は非常に画期的だったと言えます。

現行「ハリアー」はどんなクルマ?

 現行モデルの4代目ハリアーは、2020年6月17日に発売。

 フルモデルチェンジにあたってプラットフォーム、パワートレイン、安全装備、機能など、すべてを一新した現行ハリアーは、クーペ風の流麗なスタイルを採用し、これまで以上にスタイリッシュなSUVに仕上がりました。

 また、大型化されたフロントグリルや二重のL字型に発光するデイタイムランニングランプを内蔵したヘッドランプによって、精悍さとともに先進的な印象を強調しています。

 リアのデザインは、絞り込まれたキャビンとスポーツカーのように左右に張り出したホイールハウスとの組み合わせが逞しさを演出。さらに、横一直線に光るテールランプとストップランプが後続車に強い存在感を示します。

 内装は、馬の鞍をイメージしたセンタコンソールと、それを包み込むような形状のインパネを組み合せ、触感にこだわった上質なレザー調の素材やウッド調加飾を施すことで、高級感のある室内空間を実現させました。

 また、トヨタとして初となる調光ガラスを用いた「電動シェード付きパノラマルーフ」を採用。調光時には障子越しの柔らかな光が差し込むような「和」を意識した要素も取り入れられています。

 現行ハリアーのボディサイズは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mmで、ホイールベースは2690mm。従来モデルと比較してサイズアップされていますが、全高は低く設定されたロー&ワイドなスタイルです。

 パワーユニットには、2リッターエンジンを搭載したガソリン車と、2.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車、さらに歴代で初めてPHEV(プラグインハイブリッド車)を設定し、駆動方式はFFと4WD(PHEVは4WDのみ)を用意しています。

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 ハリアーというクルマは、発売してたった20年ほどの間で人気ブランドとして確立された稀有な存在です。

 とくに現行ハリアーは、ガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドと豊富な仕様を取り揃えており、駆動方式も好みで選択できるため、よりユーザーの生活環境や仕様状況に寄り添うことができます。

 また、高い動力性能と低燃費を実現する直噴エンジンと発進ギヤを追加したCVTにより、大きなボディと快適な室内空間を備えながらも、力強くスポーティな走行も可能です。

 このように、快適で使い勝手に優れ、オールマイティ性を備えて様々な層のユーザーの要望を叶えたことが、現行ハリアーが高い根強い支持を受け続ける理由なのではないでしょうか。