伊藤忠商事と伊藤忠エネクスは一連の騒動があった「ビッグモーター」を「WECARS」に改め、新会社を発足させたと発表しました。

「ビッグモーター」から「WECARS」に

 2024年5月1日、伊藤忠商事と伊藤忠エネクスは一連の騒動があった「ビッグモーター」を「WECARS(ウィーカーズ)」に改め、新会社を発足させたと発表しました。

 伊藤忠商事と伊藤忠エネクスは、ジェイ・ウィル・パートナーズ(以下JWP)とともに、株式会社WECARS(以下WECARS(旧商号:株式会社ジェイ・ケイ・エイチ)を発足させました。

 これにより、式会社ビッグモーター(本社:東京都多摩市)及びその子会社のすべての事業を会社分割により承継したことになります。

 WECARSは、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス及びJWPの3社が共同して出資することにより設立されました。

 しかし、存続会社である株式会社BALM(旧商号:株式会社ビッグモーター)は、JWPが単独で株主となり、分割の対価等を原資として、コンプライアンス違反行為に起因する損害賠償への対応及び融資の弁済等に取り組むこととなります。

 伊藤忠商事は、他株主2社とともに、新会社の経営に注力していくと言います。

 なお新社名について伊藤忠商事は、次のように説明しています。

「WECARSのWEという言葉には、クルマに関わるお客様や私どものことだけでなく、クルマとともに生きるすべての方々を含んでおります。

『WE(私たち)』のつながりで、ひとりひとりの、いろんなクルマの未来づくりに貢献していきたい。

 さらに、中古車のよりよい未来と、よりよい世界をつくることにも貢献していきたい。そのような大きな志をこの社名に込めました」

 なおWECARSのコンセプトは「お客様第一」だと言います。

 事業の再建及び今後の成長に向けて、新株主と新経営陣は、強固なガバナンス体制とコンプライアンスを最重視して「お客様第一」の実現を目指すとしています。

 また「過去との決別」の観点から、創業家はもとより、これまでの経営陣を含まない、厳選した適任人材で、業務執行を監視する取締役会と監査役を構成。

 これにより、社内・社外を問わず、取締役・監査役が自己の知見、経験、専門的な視点を以て経営を遂行し、健全なコーポレートガバナンスの下、コンプライアンス徹底、意思決定の透明性の向上、変化への適切な対応などにより、安定的な成長基盤の確立を目指していくようです。

 また、伊藤忠商事は、伊藤忠エネクスとともに、WECARS経営層から現場にいたるまで人材を投入し、グループの総合力をもって、「お客様第一」のコンセプトに基づき、マーケットインの発想で事業の再建と成長に向けて取り組んでいくとしています。

 伊藤忠商事が英国自動車整備事業や北米建材事業等で培った事業再建のノウハウを最大限活用。

 伊藤忠エネクスが給油所、カーディーラーやレンタカー事業などの運営をはじめとした現場力の強みを発揮。

 これらが一体となってひとつひとつの事業に丁寧に磨きをかける「ハンズオン経営」を実践していくと言います。

 またJWPは、経営管理、コンプライアンスや監査分野を中心に役割を遂行していくようです。

 WECARS発足について、伊藤忠商事は次のように締めくくっています。

「この度のWECARS発足は、中古車ビジネスの透明化を実現し、業界の信頼回復、お客様への安心感の提供、従業員の雇用確保と、伊藤忠グループ企業理念である『三方よし』を実現できるものと考えております。

 WECARSは、株主、経営陣、そして社員とともに、不退転の覚悟で改革を推進し、お客様を第一に考える組織としてお客様からの信頼を勝ち取るべく取り組んでまいります」