日本市場に復活したホンダの高級ミニバン「オデッセイ」ですが、従来より販売されている5代目モデルの改良版です。そこで次に期待される“6代目”新型オデッセイについて徹底予想しました。

「オデッセイ復活」の裏で「次期型」の計画は動いているのか!?

 2023年12月、およそ1年ぶりに日本市場に復活したホンダの高級ミニバン「オデッセイ」は、2021年末に一度販売終了した5代目オデッセイの一部改良版です。
 
 そもそも5代目が登場したのは10年前の2013年であり、買うならいっそ「新型が良い」と考えている人も少なくないでしょう。では次期“6代目”オデッセイが登場するならどのようなモデルとなるのか、予想をしてみました。

 通算5代目となる現行型オデッセイは、歴代モデルの特徴でもある低く構えたスタイリングやスポーティな走りに、ミニバンの実用性も備え、さらに高級感も大幅に高められた多人数乗りの3列シートミニバンです。

 全高を抑え重心が低いことが功を奏し、現在販売されるミニバンのなかでも運転がしやすいのが最大の特徴といえます。

 走行感覚も心地良く、なかでも2リッター直列4気筒のガソリンエンジンに2モーターを組み合わせたハイブリッド「e:HEV(イーエイチイーブイ)」が素晴らしい出来栄えです。

 車内へ入り込んでくるノイズも非常に少なく、極めて静かな空間となる点も含め、滑らかかつ過不足ない動力性能のパワートレインが生み出す走りの性能は、ホンダのミニバン技術の集大成だと感じます。

 しかしながら、販売台数に関してはトヨタの高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」の爆売れぶりには及ばず、どうしても存在感が霞んでしまいがちです。

 では次期6代目オデッセイは、どのような方向へ進むのが良いのでしょうか。

 アルファード/ヴェルファイアと真っ向勝負するならば、同サイズの体躯にまで大型化する必要がありますが、これまで、頑なに歴代の低床・低全高コンセプトを貫いてきたオデッセイが、路線を変更してくることは考えにくいところ。

 おそらく次期オデッセイでも、走りの良さをうたうミニバンのキャラクターを極める方向へと進んでくるのではないでしょうか。

 ただしそうした走り重視のコンセプトを維持する一方で、これまでにないほどデザインが魅力的であるなど、抜本的な改革も必要です。

 それはレベル3に近い自動運転機能の充実や、使い勝手の大幅な進化、手ごろな車両価格など、既存のユーザーも買い替えたくなるほどの衝動となり得る、プラスアルファの「何か」が欲しいところです。

次期オデッセイを考えるうえで重要な「2つのミニバン」とは

 北米ホンダには同じ「オデッセイ」を名乗りながら、まったく別モノのの超大型ミニバンがあります。

 日本のオデッセイよりも全長や全幅はひと回り以上大きいながらも、全高は日本のオデッセイ同様に抑えられたモデルです。

 たとえばこの北米オデッセイをベースに、車幅などを日本向けに縮小した「超大型ミニバン」へとシフトアップする、というのも良いかもしれません。

 圧倒的な存在感があれば、高級ミニバンユーザーの心をわし掴みにできるかもしれません。

 もしくは、2024年1月のCESで発表された「ホンダ0シリーズ」のうちの1台、「スペースハブ」のような、ぶっとんだデザインでもいいかもしれません。

 ホンダによると「スペースハブ」は、将来的にバッテリーEVになっていくミニバンにおいて、大容量のバッテリーを積載することによる電費悪化や、全高が高くなりがちという課題を解決するために考えられたモデルとのこと。

たしかに、ミニバンらしさは残しながら、ロングホイールベースかつフロントショートオーバーハングの未来的なスタイリングをしていますが、低床かつ低全高に設計されており、ボディサイドにキャラクターラインを入れていないため、ボディパネルが非常に大きくみえて迫力も増しています。

 また車内はガラス面が多く、従来のミニバンとは比較にならないほど開放的な空間となっています。

 スペースハブは100%電気駆動であり、次期オデッセイとして間に合うのかは微妙ですが、この斬新なデザイン要素は次期オデッセイにあっても良いのではと考えられます。

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 ホンダは2024年3月現在、2030年までに全世界でEV/FCEVを年間200万台強生産し、2040年までに全世界でBEV/FCEV販売比率を100パーセントとすることを目標としています。

 もし、スペースハブが次期型オデッセイであるならば、価格を抑えたハイブリッドやPHEVも設定して欲しいと考えます。