【ニューヨーク共同】日銀の黒田東彦前総裁が2日、ニューヨークで講演し、インフレ率の上昇や賃上げなどを背景に日銀が今年3月に金融政策の正常化に踏み出したことを評価し「慎重に正常化が行われることに自信を持っている」と述べた。

 現状の円安進行については「見解が異なる人もいるかもしれないが、一時的だと思う」との見方を示した。

 黒田氏は講演で、総裁就任後の2013年4月に始めた大規模な金融緩和政策について「当初は非常に良かった」と強調した。もっとも、その後は原油価格が大幅に下落したことなどによりインフレ率が低迷したと説明した。

 講演はニューヨークの日米交流機関で行われた。