血糖値を下げるインスリンが体内でつくれなくなる1型糖尿病の症状が改善していないのに、国に障害基礎年金の支給を打ち切られたのは不当として、患者8人が処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(本多久美子裁判長)は19日、一審大阪地裁判決を取り消し、全員の請求を認めた。

 8人は32〜55歳の男女で、いずれも未成年の時に発症。障害等級2級を認定されて年金を受給していたが、2016年までに支給対象外の3級とされた。

 19年に処分を違法として取り消す大阪地裁判決が確定したが国は支給を再開せず、患者らが再び提訴。21年、同地裁が一転して国の処分を適法と判断し、控訴していた。