昨年4月の東京都世田谷区長選で世論調査を装い自動音声で電話し、立候補予定だった保坂展人区長(68)の名誉を傷つけるなどしたとして、警視庁は1日までに、公選法違反(虚偽事項の公表)と名誉毀損の疑いで発信者とみられる人物を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。4月30日付。再選した保坂氏が昨年11月、容疑者不詳で刑事告訴していた。

 告訴状によると、昨年3月、区内の多数の世帯に「区長についての意識調査」として自動音声の女性の声で電話。その中で「公用車での別荘への行き来や、区長室に1千万円以上の家具を購入する見積もりをとっていたことが2度も報道された」などと虚偽の事実を伝え、保坂氏の名誉を傷つけたとしている。

 保坂氏は弁護士を通じ「虚偽事実を流布する悪質な手法が、乱用・拡大することがないよう、厳正な捜査と処罰をお願いしたい」とのコメントを出した。