犯罪被害者が賠償を受けられず、時効のため泣き寝入りすることがないよう、加害者へ民事訴訟を改めて起こす費用を支援する制度について、今年4月に三重県が導入し、少なくとも計8府県と1市に広がっていることが16日、共同通信のまとめで分かった。制度があっても実際に賠償支払いを受けるまでの道は険しく、犯罪被害者らは一層の支援拡充が必要だと訴えている。

 犯罪に遭った被害者や遺族が賠償を求め、裁判などで損害賠償命令が確定しても、加害者に資産がないといった理由で大半が支払いを受けられていない。さらに賠償命令確定後、10年経過すると時効のため加害者への請求権が消滅してしまう。これを防ぐには、もう一度提訴する必要がある。

 三重県は今年4月、犯罪被害者等支援条例に基づいて、再提訴する際、裁判所への手数料と弁護士費用をそれぞれ最大33万円助成する仕組みをつくった。

 大阪府や岐阜、愛知、香川、愛媛、高知、福岡の各県が、これまでに同様の制度をつくり、最大32万〜33万円助成する。兵庫県明石市は上限を設けず必要な費用を支援している。