医療用注射器を無届けで暴力団組員に販売したとされる事件で、医薬品医療機器法違反(無届け販売)の疑いで京都府警に逮捕された男性歯科医(67)が、暴力団組員に計約18万本の注射器を販売し、約1千万円を得ていたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。府警は、暴力団組員が注射器を覚醒剤とセットで密売していたとみている。

 捜査関係者によると、千葉県柏市の男性歯科医は昨年2月からの約1年間で、業務で仕入れた18万3千本の注射器を暴力団組員に転売していたという。

 このうち5万6400本について、昨年3〜9月に無届けで埼玉県の暴力団組員の男(48)らに販売したとして、京都区検は男性歯科医を略式起訴し、京都簡裁は罰金50万円の略式命令を出した。命令は13日付。

 医薬品医療機器法は、注射器の販売や提供について、都道府県知事への届け出を義務付けている。