「女性ホルモン」って何?

 女性ホルモンは女性の卵巣でつくられているホルモンのこと。「エストロゲン〈卵胞(らんぽう)ホルモン〉」と「プロゲステロン〈黄体(おうたい)ホルモン〉」の2種類があり、わかりやすく言うと、エストロゲンは「女性らしい体つくり」と「妊娠の準備」。プロゲステロンは「妊娠の維持」といった役割をもっています。

 フェムテック関連サポート事業を展開する「moN」代表の西田美華さんによると、女性ホルモンは、女性特有の身体を成長させるもので、肌や髪などのハリや潤い、精神など、女性の身体と心全てを整える大切な働きがあると教えてくれました。また、女性ホルモンについてしっかりと理解しておくことで、自分の心と身体を守ることにつながると述べています。

■エストロゲン
 女性らしい丸みを帯びた体を作り、血管や骨などを健康な状態に保ちます。また、自律神経の働きを安定させ、コラーゲン産生を促して美肌をつくるので「美人ホルモン」と呼ばれることも。

■プロゲステロン
 基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させる働きがあります。妊娠に向けて体にエネルギーや水分を蓄えようとするので、食欲が増加したり、胸が張ったり、むくんだり、生理前に体の変化が訪れるのは、プロゲステロンの作用といわれています。

 この「エストロゲン」と「プロゲステロン」のそれぞれが、月経と連動して一定の周期で分泌量が増減します。加齢やストレスや疲労、過度のダイエットなどでホルモンバランスが乱れると、女性の体と心にさまざまな影響を及ぼします。

 西田さん:「エストロゲンとプロゲステロン、どちらもバランスよく保つことが必須になるのですが、日々の生活習慣がホルモンのバランスに大きな影響を与えます」

女性ホルモンの乱れはPMSや体調不良の原因に!

 ホルモンバランスが乱れると、生理周期不順やPMSだけでなく、子宮内膜症や卵子の排卵や着床が困難になり妊娠しづらくなるケースもあるので要注意。

 また自律神経の乱れにもつながることがあり、頭痛や肩こり、腰痛、便秘のほか、イライラや不安感、不眠などさまざまな症状を引き起こす原因にもなります。しかも、皮脂の過剰分泌がおき、毛穴周りの表皮が厚くなって詰まりやすくなるのでニキビやくすみ肌の原因に。ターンオーバーの乱れからバリア機能が低下し、乾燥や敏感肌になることも。

日常生活でホルモンバランスを整える方法

日常生活でホルモンバランスを整える方法

 1、食事はまんべんなく、豊富な食材を適量食べる
 基本ですが、栄養のバランスが取れた食事を規則正しく&適量摂ることが大切。オススメは女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをする、イソフラボンを含んだ大豆製品や、カルシウムを含む牛乳や小魚。腸内環境を整えて、免疫力をアップさせる発酵食品や食物繊維を含む食品も意欲的に取り入れて。

 2、質の良い睡眠でコンディションを整える
 規則正しい生活も、ホルモンバランスを整えるのにマスト! 特に質の良い睡眠はホルモンだけでなく、身体や心の調子を整えるのに効果的。早めの就寝を心がけて、睡眠時間は6〜8時間程度を確保して。朝は日の光を浴びて、体内時計を整えることも大事。自律神経を健全に機能させて夜、深い眠りへと導いてくれます。

 3、適度でO K! 体を動かすことを心がけて
 適度な運動は血行や代謝を改善し、ホルモンバランスによい影響を与えることが期待できます。仕事の後に少し遠回りして歩いたり、ショッピングしたり、寝る前の筋トレやヨガなど無理のない範囲でできるエクササイズを取り入れて。

 4、推し活でもO K! ときめくことが大事♪
 胸がときめくと、PEAというホルモンの濃度が上がります、これに連動して快感をもたらすドーパミン、幸せを感じるセロトニン、エンドルフィンといった幸せホルモンが活発に分泌。これらの作用により女性ホルモンの分泌が促されます。恋愛はもちろん、推し活でもOK! たくさんときめいちゃいましょう♪

 西田さん:「上記にあるアドバイスをもとに、食事や睡眠、運動など生活習慣を正しましょう。また、女性ホルモンを活性化するには、なんと言ってもフェムケア(デリケートゾーンケア)がおすすめです。正しい洗い方、拭き方はもちろん保湿など、デリケートゾーンを大切にすることが、女性ホルモンUPの第一歩! 自分に合うものを選べるチカラをつけて、是非実践してみてくださいね!」

【まとめ】
 ホルモンバランスを整えれば、生理周期の安定やPMSの軽減が期待できちゃう。情緒も安定するのでいつもごきげん。さらに、肌や髪のツヤもキープできるので、キレイ度もグンとアップ! いいことしかないので、ぜひ試してみて。また、後編では揺らぎを整えて、女らしさをアップしてくれるアイテムを紹介するのでこちらもお楽しみに。

(渡辺恵理)