最近、ChatGPTをしのぐ勢いで人気急上昇中の生成AI「Claude 3」。

同じプロンプトを使って出力結果を比べてみると、ChatGPTとは異なる特徴があることがわかります。両者の特徴を踏まえた、ChatGPTとClaude 3の使い分け方を紹介します。

※本記事ではGPT-4およびClaude 3 Opusを使用しています。

「きれいな日本語の文章」を作るならClaude 3

Claude 3の強みは、なんといってもその日本語力の高さにあります。これまで、生成AIで作成した文章にはどうしてもAI独特のクセや不自然さのようなものが残っていました。ところが、Claude 3の有料プランで提供されている最上位モデル「Claude 3 Opus」で生成された文章には、そういった「AIっぽさ」がほとんどありません。

ChatGPT(GPT-4)とClaude 3 Opusで生成したメール文面を比較すると、その違いがはっきりわかります。

ここでは、取引先へのお詫びメールを想定した文面を、以下のプロンプトを使って出力しました。

得意先から受注した商品「A-123」について、誤って「A-231」が納品されているとの連絡がありました。すぐに確認し、対応したいと思っています。まずは先方にお詫びのメールを送りたいと思っていますが、どのような内容がふさわしいでしょうか?メール文面のサンプルを作成してください。

どちらも間違いについてお詫びをして、商品を回収・交換する旨が記載されていますが、ChatGPTの「誤ってお届けしてしまったことが確認されました」という表現は日本語として少々違和感があります。

自社のミスなのに「確認されました」と他人事のような言い回しを使うことで、無責任な印象も与えてしまう可能性もありそうです。

一方のClaude 3は、まずお詫びの言葉を重ね、その後も「全力で対応させていただきます」などの誠実さが伝わる表現が続きます。

さらに、「再発防止に全力で取り組んでまいります所存でございます」「ご寛恕くださいますようお願い申し上げます」といった丁寧な言い回しを使うことで、誠心誠意対応している印象が伝わる文面になっています。

言い回しの調整などもClaude 3は柔軟に対応

既存の文章の表現を目的にあわせて調整したいときもClaude 3は器用に対応してくれます。

ここでは、企業が新商品のプレスリリースを自社ブログの記事向けにテイストを変えて使う状況を想定し、AIで生成した架空のプレスリリースに以下のプロンプトを与えて書き換えを行ないました。

以下のプレスリリースを、自社ブログの記事に書き換えたいと思います。できるだけ宣伝っぽさや押しつけがましさのないテイストで、読者に呼びかけるような、親しみのある文章のブログ記事を生成してください。

(以下にプレスリリースの原稿を貼る)

Screenshot: 酒井麻里子 via ChatGPT / Claude

「宣伝っぽさや押しつけがましさのないテイスト」と指示したものの、ChatGPTにはまだ宣伝のように感じてしまう要素が残っている印象です。一方のClaude 3は、書き手自身が商品の魅力を語りかけるスタイルでまとめられています。

情報の整理はChatGPTの得意分野

一方で、情報を分類・整理してまとめるような作業では、ChatGPTのほうがうまく対応してくれるケースが多い印象です。

たとえば、会議の文字起こしデータを元に議事録を作成したものを比較すると、Claude 3が会議の流れに比較的忠実にまとめているのに対して、ChatGPTは話が飛んだり、同じ話題が2回挙がったりした部分を上手に調整してくれました。

また、数十ページあるPDFファイルの内容をもとに、A4用紙1枚程度のまとめ資料を作成するケースでも、ChatGPTのほうが情報をわかりやすく整理している印象です。

それぞれ以下のプロンプトで出力できるので、興味のある方はぜひお手元のデータを使って結果を比べてみてください。

議事録作成

以下は○○についての会議の文字起こしデータです。これをもとに、会議に参加していない人でも内容を把握できる、わかりやすい議事録を作成してください

(以下に文字起こしデータを貼る)

PDFをまとめる

このPDFファイルの内容を、「○○」というテーマでA4用紙1ページ程度のドキュメントにまとめてください。

(PDFファイルをアップロードする)

選択肢が増えたからこそ、用途に応じた使い分けを!

なお、比較的シンプルなプロンプトで簡単な作業を行なう場合は、どちらを使ってもあまり違いのないケースもあります。

たとえば、イベントの案内状やお礼状といった一般的なテンプレートに当てはめて書ける程度のちょっとしたメールや、「飲食店の臨時休業を知らせる張り紙」のような数行の文章で完結するものは、どちらも似たような出力結果となります。

また、キャッチコピーや企画などのアイデア出しも大きな違いはない印象なので、どちらを使ってもよさそうです。

簡単にまとめると、

  • 日本語としてきれいに整った文章を生成したい場合はClaude 3
  • 表現は多少不自然でも、情報を整理してわかりやすくまとめることを重視したいならChatGPT

という使い分けが現時点での最適解といえそうです。

なお、どちらの場合も有料プランで利用できる上位モデル、つまりGPT-4とClaude 3 Opusを使うのがおすすめ。GPT-4についてはMicrosoft Copilotから無料で使うことも可能なので、「どちらか一方に課金する」ということであれば、Claudeを優先するのがいいかもしれません。

選択肢が増えてきたからこそ、ChatGPT一択ではなく、用途に応じて賢く使い分けることをおすすめします。

Claude AIとChatGPTを比較|主力にしたい生成AIはどっち? | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2404claude-ai-versus-chatgpt-which-is-better/

テキスト生成AI『Claude』が提供する60以上の「プロンプト集」が使える!すぐに苦手な仕事を自動化せよ | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2403_claude_prompt_list/

ChatGPTは要約の鬼! 大量の情報から一瞬でデータを抽出するコツ | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2404-ai-case/

OpenAIの最新動画生成AI・Soraは「脅威」なのか?その仕組みと、できること・できないこと | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2402-we-should-be-scared-of-openais-realistic-ai-videos/