楽天ペイメントが「楽天ポイントカードアプリ」と「楽天ペイアプリ」を年内にも統合し、その後「楽天Edyアプリ」も統合すると発表しました。この会見で楽天EdyがiPhoneで利用できない問題について質問したのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、統合によってiPhoneでは決済できない楽天Edyの残念な状態も解消されるのか、楽天ペイメント側との気になるやりとりを記しています。

楽天ポイントカードアプリに楽天ペイと楽天Edyが統合へ──iPhoneで楽天Edyが支払える日は来るのか

楽天ペイメントは2024年12月頃に「楽天ポイントカード」アプリと「楽天ペイ」アプリを統合すると発表した。その後、電子マネー「楽天Edy」アプリも統合していくという。

確かに楽天の金融やポイントサービスは古くからそれぞれが独立してアプリを提供しており、利用シーンに応じて、別々のアプリを起動しなくてはならなかった。個人的にもポイントを貯めるためにポイントカードアプリを起動することはあっても、結局、その後はPayPayやd払い、au Payアプリを起動していまい、楽天ペイで支払うことはほぼ皆無であった。

他社は金融や決済サービスをまとめて一つのアプリで提供しているところが多いため、他社に追随するというのは当然のことだろう。ただ、個人的に気になっているのが、楽天Edyも統合するなら「iPhoneで決済ができるようになるのか」という点だ。

楽天EdyはAndroidでは決済ができるものの、なぜかiPhoneではアプリはあっても、支払いには非対応のままとなっている。SuicaやiD、QUICPay、waon、nanacoなどはとっくの昔に対応しているのに、楽天Edyは置いてきぼりなのだ。楽天EdyのiPhone非対応問題について、数年前から決算会見などの質問しても、明確な答えが返ってきたためしがない。

今回、「アプリを一つに統合する」と鼻息荒く宣言したので、質疑応答で「楽天Edyアプリを統合するということはiPhoneでも楽天Edyで支払いができるようになるのか」と聞いたところ「他社のポリシーについては私が申し上げる立場にはない。我々としては、可能な限りユーザーにとって利用が最大化できるように期待している」(楽天ペイメント、小林重信社長)とのことだった。

さらに突っ込んで「楽天としては努力しているが、(アップルの)ドアが開かないということか」と尋ねたところ「申し上げるところにはないが、会社としては圧倒的なオープン戦略を掲げており、ユーザーが期待しているのであれば、拡大していきたい。今後もオープン路線を強化していきたいのは変わらない」との回答であった。

個人的にはかつてはEdyのヘビーユーザーであったが、決済系サービスはすべてiPhoneで行うことにしたため、楽天Edyを使う機会がなくなってしまった。

楽天ペイメントとしては「楽天Edyは地方のスーパーなどで、カードによる利用頻度が極めて高い」ということであったが、楽天ポイントカードアプリにまとめていくのであれば、やはり楽天EdyをiPhoneで使えるようにしないことには、ユーザーの期待には応えていないような気がするのだが。結局、楽天EdyがiPhoneで使えない問題は、何が障壁になっているのだろうか。

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image by: Guillaume Paumier, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

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