豊かに暮らしたいと思った現職教員が選んだ“複業”はFXトレードでした。FXには少額の金額で大きな利益を狙える仕組みがあり、効率よく夢が狙える数少ない選択肢の一つだといいます。まだ投資のことを毛嫌いする人が少なくない世の中ですが、同じくらい「貯金をしておけば安心」といった誤解をしている人が多いのも確か。トレードの知識とノウハウを広めたいとオンラインコミュニティも立ち上げた“FX先生”が、投資の世界へ一歩踏み出したいあなたに「ミニ講義」を寄せてくれました。

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今の人生をもう少し豊かにしたいと思ったとき、本業の収入一本ではやりたいことをやりきれない人は多いのではないでしょうか。ここで副業に目がいくわけですが、新たに労働を増やして収入が増えても意味がなく、いわゆる「お金にお金を稼がせる」方向で、収入増を考えるようになりました。ここで出会ったのが「投資」です。

最初は投資の王道とも言える株式投資を始めました。しかし株式投資は資金力の低い庶民にとっては決して大きく稼げるものではなく、コツコツ小さく確実に稼ぐことに向いています。FIREや積立NISAでも話題ですが、「一定の資金を集めて」あるいは「数十年かけて」と言われている通り、株式投資とは基本的にはそういうものです。そこで次に目をつけたのが少額で大きな利益を生み出せるFXでした。

FXの秘密…「小さな投資」で「大きな夢」を

FXにはレバレッジと言って、自己資金以上の金額で投資活動をすることができる制度があります。レバレッジとはテコの原理のことで、その言葉通り小さな力で大きな収益を期待できます。株式投資では10万円が数カ月で12万円くらいになればいいところですが、一方FXでは利用するサービスによっては、レバレッジが500倍や1000倍などに設定されており、自己資金の500〜1000倍の取引ができるため、+2万円ならものの数秒〜数日で達成可能です。つまり1カ月のうちに10万円を2倍やそれ以上にすることも十分に可能な投資なのです。

ここで簡単にFXの仕組みについて触れていきます。FXのイメージは「換金」です。現在円安で$1=150円前後を推移していますが、$1=110円のときに1万ドル(110万円)を外貨預金として貯金していれば、今ではそれが1万ドル=150万円になっており、貯金しているだけで40万円増えたことになります。しかし40万円くらいではあまり大きな利益ではないので実際には1000万円の外貨預金をして400万円の利益を上げるくらいが「投資」の目標でしょう。

このとき、問題が3つあります。1つ目は大きな利益を上げるには元本も大きくなければならないということです。今回の例であれば1000万円もの金額が必要となります。2つ目は資金拘束期間です。$1の価格が、利益が十分でるまでに上がり切るまでに3〜10年かかる可能性があり、その期間ずっと貯金しておかなければなりません。そして3つ目がそもそも利益が十分にでるまで価格が上がらないということです。最近でこそ歴史的な円安で$1=153円(2024年4月現在)という、約34年ぶりの水準となっていますが、普段は年間でも2〜3円程度の推移しかしません。つまり1000万円の外貨預金をして、1年後に1030万円にしかなっていないということです。これでは投資効率が悪すぎておいそれと「外貨預金で稼ごう」とはいかないわけです。

FXは今話した外貨預金を超短期で行うイメージです。外貨預金であれば$1=110円から$1=120円という10円の値幅を狙って儲けていくわけですが、FXではそれを$1=110.2から$1=110.5円という小さな値幅でも利益を出していこうというものです。先ほど説明したレバレッジという制度を利用して、短期間で小さい値幅でも十分に利益を積んでいこうというのがFXという「換金」システムです。

実際にボクも初月で100万円を稼いだり、その後もそれ以上のかなりの金額を稼いだりしました。しかしその一方で、考えられないくらいの損失も経験しました。当時はEAという自動売買ツールで機械に任せてトレードをしており、EAに100万円預けていれば1カ月で150万円くらいになっていました。その利益を元に自分でもトレードをして、レバレッジを最大限に活用していたので、勝っても負けても大きな金額が動いていました。リスク管理という観点がまだ未熟でしたので、そういう意味で「イケイケだったな」と反省しています。しかしFXにはそれが可能なほど夢があるというか、少額からの“爆益”が狙える数少ない投資選択肢の一つであることは間違いありませんし、そこが最大の魅力です。

貯金は「絶対損する対象」に投資をしているのと同じ

多くの人が副収入を得たいと考える今、その選択肢に投資が入ることは必然です。しかし投資を毛嫌いする人が多いのも事実です。ボクは現役の教員なのですが、教員という特性からか職場でも、安定を望み投資を敬遠する人が多く、むしろ生徒の方が「投資について教えてください!」と言ってくるくらいです。たしかに貯金をすれば減ることはありません。そして投資をすれば増える可能性もあり、同時に減る可能性もあります。ましてや素人が勝てるものではありませんから、最初は損失の方が多いでしょう。こればっかりは自分の投資スタイルを見つけて利益を出せるようになるか、もしくは大きな利益を諦める代わりに年利の小さなもので小さく確実に利益を上げていくしかありません。

しかしここで認識を改めて欲しいことが「貯金をすれば増えることもないけど、減ることもない」という視点です。これは気づきにくいですが、間違った考え方です。確かに10年前に貯金した100万円は、今も口座に100万円で残っているでしょう。しかし、その100万円は本当に10年前と同じ価値があるのでしょうか。

例えば10年前に最新だったiPhone5の値段は約5万円でした。現在最新のiPhone15は約12.5万円です。どちらも最も安いモデルで比較していますが、「現在一番安いiPhone」を買おうと思ったら、当時の2倍以上の値段がします。これはつまり「同じ生活」を維持する金額が、10年前より高くなっているということです。最近は様々なものが値上がりしており、10年後20年後を見据えて貯金をする場合、今貯金した100万円が将来は50万円程度の価値しかないという状況になりかねないということです。世の中は基本的には成長を続けていくので、実際には「貯金は増えないどころか、減ることしかない」が正しいのです。

「貯金」を選択するということは、本人が気づかないだけで「日本円の価値は上がり続ける」ということに対して投資しているのと同じです。投資嫌いで貯金している倹約家こそ、実は「今後損失が出そうな予測がすでに立っている投資対象(日本円)」に投資しているのです。これにいち早く気づき、投資活動を始められるかどうかが、自分と周りの人生を少しでも豊かにできるかどうかの分かれ目になります。ボクは投資を始めて今では自分で不動産を建ててオーナー業をする、不動産投資家としての顔も持っています。このように株式投資を始めたことがきっかけで人生が大きく変わっていくこともありますから、ぜひあなたのはじめの一歩を踏み出してください。

◆たっちゃん(複業投資家教員)北海道で働く30代の現役教員。2016年から株式投資を始め、不動産、暗号資産などを手掛けたのち、2019年5月からFXを開始。投資仲間らと勉強会を重ねるうち、FXトレードのスキルアップを目指すオンラインコミュニティ「亀心隊-タートルズ」を立ち上げた。現在は600人を超すメンバーが参加している。