プライベートで丁髷(ちょんまげ)姿を貫いている男性が、ダメ元で飲食店バイトに応募したところ、予想に反してあっさり合格。「うそだろ、、、!???受かったよバイト...しかも丁髷のまま接客でなんら問題ないと....」とXに投稿し、大きな反響を呼んだ。勤務初日を終えた投稿主のとりにくさん(@tarakosan114)に話を聞いてみた。ちょんまげ店員、バイト先での反応はいかがでしたか?

「快く採用してくださったのは沖縄料理店なのですが、バイト先の皆さんからは『改めて見るとなんかすげぇ光景だな笑(ちょんまげ頭が普通に接客をしている様子を見て)』『別にちょんまげだっていいじゃんね。清潔感あるし失礼な対応するわけでもないし、ただの髪型なんだから、それでダメ(不採用)にする理由がない』『侍!???って固まりましたけど悪くないですよね。むしろめちゃめちゃかっこいいじゃないですか!』『店の看板に“侍入りました!”とか書こうぜ笑(冗談で)』などと言われ、大いに盛り上がりました」

—おお、いい職場ですね!お客さんは?

「中には『本物ですか??』『すげえ!!』と驚くお客様も数名いらっしゃいましたが、ちょんまげのことにはほぼ触れられず、“普通の従業員”として働くことができました」

「ちょんまげについて触れられたり、特別な扱いを受けたりすること自体は嬉しいのですが、この頭でも普通に働きたいという無理が叶ったので、本当にありがたい気持ちです」

—令和の時代にちょんまげが一石を投じましたね

「世の中そんなに甘くない、面白がられてるだけ、趣味と仕事が分けられない人…そんな風に言われるのではと心配もしていたのですが、思いがけず好意的な反応をたくさんいただき、本当に嬉しく思います」

「私の投稿を機に、学校の“ブラック校則”のような凝り固まった無意味に等しい制限などが緩和されればと思います。結局大人になってからも働くのに、一番おしゃれをしたい若い時期に『働くために黒髪、おしゃれの制限』は損ではないでしょうか。校則に限らず、明確な理由がないのに『決まりだから』と個性が均一化される世の中の風潮が少しでも変わるといいですね」

—とりにくさんの存在に励まされた人も多かったようです

「今までは自己満足でしかなかったこの髪型や服装が、誰かを勇気づけたり楽しませたりしていることを知り、あぁやっていてよかったな、認めてくれる人も世の中には大勢いるのだな、と一層自信が持てました」

「今回はたまたま寛容な人たちとの出会いに恵まれましたが、その一方で、私のようなスタイルを貫くわがままや自由がこの先まかり通るのはおそらく難しいだろうとも感じています。だからこそ、こんな生き方でも立派だと認められるよう、今ちょんまげで一つ一つ成果を上げていこうと思っております」

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とりにくさんは東京都在住、美術大学中退の現在23歳。以前からレトロな趣味を楽しんでいたが、好きが高じて5年ほど前からは毎日和服で過ごすようになり、ヘアスタイルも自然とちょんまげに行き着いたという。バイト先の沖縄料理店は本人のXアカウントで明かされているので、気になる人はご確認を。

(まいどなニュース・黒川 裕生)