まさかは突然やって来る!? 起こりっこないと思っていたことが起こってしまうこの時代に、危機から脱する対処法は知っていて損はないはず。嘘のような危機的シチュエーションを、スペシャリストたちが大真面目に対処法を解説した『究極のサバイバルシリーズ2 もしも車ごと崖から落ちそうになったら』(文響社)にて、いつ起こるかわからない不測の事態に備えておこう!
※本記事はジョシュア・ペイビン、デビッド・ボーゲニクト著の書籍『究極のサバイバルシリーズ2 もしも車ごと崖から落ちそうになったら』(文響社 )から一部抜粋・編集しました。

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もしも飲み水もなく無人島に流れついたら
1. 手当たり次第、容器に雨水を溜める。
ボウル、皿、ヘルメットなどが理想ですが、緊急用のゴムボートや伸縮性のある衣類でも雨水を溜められます。乾燥している地域では、朝露を集めて飲み水にします。防水シートなどをボウル型にして朝露を集めてください。

2. 朝露を集める。
布や長めの草を足首に巻き、夜明けと共に雑草地を歩きまわってください。布や草に朝露がしみこむので、絞って容器に溜めておきましょう。
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3. 山へ向かう。
海岸沿いは草木が枯れていて不毛の地に見えても、内陸部には緑が生い茂っていてきれいな真水が流れる川が見つかる可能性があります。植物が生えている場所を探しながら進んでいけばたどりつけますが、確実に水場が見つかるという保証もないのに長距離を歩き続けて体力を消耗するのは避けてください(植物が生い茂っている場所が遠すぎる場合は、移動を諦めてください)。
4. 魚を捕まえる。
魚の目のまわりや背骨には水が溜まっており、人間が飲んでも問題ありません(サメの背骨は例外とする)。目のまわりの水分を吸い、背骨を折って中の水分を飲んでください。魚の身にも水分が含まれていますが、魚の身は高タンパクなため消化に余計な水分を消費してしまうので、魚の身を衣類や布で絞って水分のみ飲んでください。
5. 鳥のフンを探す。
乾燥している地域では、岩の割れ目付近に落ちている鳥のフンが水場の目印になるかもしれません(鳥は、岩の割れ目から湧き出る水を求めて集まることがあります)。割れ目に布を入れて容器の上で絞るか、ダイレクトに口の上で絞って飲みましょう。
6. バナナの木かプランテン(調理用のバナナ)の木を探す。
30センチほど切り株を残して、木を切ってください。切り株の中心をかき出し、ボウル状にします。根から水分を吸い上げるので、4日ほどは飲み水を確保できるでしょう。最初の3回くらいまでは苦い水が溜まりますが、そのうちに苦みも薄れていきます。

[プロの助言]
・海水を飲むのは危険です。塩分濃度が高すぎるため、腎不全になる可能性があります。さらに約1リットルの海水を排出するために、人間の体は約2リットルの水分を失うことになります。最終手段として海水を飲む場合でも、1日に1リットル以下に留めておきましょう。体にはよくないですが、生きのびることはできます。
・容器に溜めた雨水は飲んでも安全ですが、容器が清潔であること、水がよどんでいないことが条件です。水がよどんでいる場合は、バクテリアが増殖している可能性があります。


ジョシュア・ペイビン

昼はコンピューター・ジャーナリスト兼フリーのライターとして働き、夜になれば冒険に思いをはせている。現在は妻とフィラデルフィアで暮らしている。共著書に『もしもワニに襲われたら』(文響社)がある。

 

デビッド・ボーゲニクト

作家、編集者、実業家、世界を股にかける旅行者。共著書に『もしもワニに襲われたら』(文響社)があり、単独の著書には『The Jewish Mother Goose』、『The Little Book of Stupid Questions』がある。現在は妻とフィラデルフィアで暮らしている。今のところ結婚生活は“危機的状況”にはないらしい。