ザワークラウトはキャベツを使った発酵食品です。キャベツが持つビタミンCやビタミンUをたっぷり摂れるほか、植物性乳酸菌の働きで腸活にもぴったり。今回は料理研究家・管理栄養士の村上祥子さんにザワークラウトの作り方と、ザワークラウトを使ったアレンジレシピを教えていただきました。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年4月号に掲載の情報です。

パンレシピ
【ザワークラウトのトーストサンド】
1人分409kcal/塩分2.6g
2404_P035-037_01.jpg
材料(2人分)
ザワークラウト(汁をきる)...50g
食パン(6枚切り)...4枚
バター...小さじ2
スライスチーズ...2枚
ベーコン(薄切り)...2枚
きゅうり...1本
作り方
(1)きゅうりは薄切りにし、塩少々(分量外)を振り、しんなりしたら固く絞る。
(2)食パン2枚に、それぞれ半分に切ったベーコンをのせ、トーストする。残りの食パン2枚もトーストし、バターを塗る。
(3)ベーコンをのせた食パンにザワークラウト、きゅうり、チーズをのせ、残りのトーストを重ね、半分に切る。
<おいしさのコツ>
ザワークラウトの食物繊維と乳酸菌がダブルで腸の免疫機能をアップします。

【ゆで卵の練乳パンサンド】
1人分227kcal/塩分1.4g
2404_P035-037_02.jpg
材料(2人分)
ザワークラウト(汁をきる)...50g
練乳パン...2個
ゆで卵...2個
マヨネーズ...大さじ1
作り方
(1)ゆで卵は1個を7mm幅の輪切りにする。もう1個のゆで卵は粗みじん切りにし、マヨネーズと混ぜる。
(2)練乳パンの2/3の深さまで2本切り込みを入れ、片方にザワークラウトと輪切りのゆで卵を挟み、もう一方に粗みじん切りのゆで卵を挟む。あればセルフィーユを飾る。
<おいしさのコツ>
練乳パンは中に練乳がサンドされたパンですが、ない場合ははちみつなどを切り口に少量塗ってもよいです。甘味がザワークラウトとゆで卵の味を引き立てます。


魚レシピ
【鮭のレモンチーズ蒸し】
1人分254kcal/塩分2.6g
2404_P035-037_03.jpg
材料(2人分)
ザワークラウト...50g
鮭(甘塩)...2切れ(100g/1切れ)
にんじん...50g
玉ねぎ...50g
レモンの輪切り...2枚
バター...小さじ2
ピザ用チーズ...大さじ1
作り方
(1)鮭はハジケ防止に、皮に包丁で切り目を入れる。
(2)にんじんは1cm幅×5cm長さの短冊切り、玉ねぎは繊維に沿って薄切りにする。
(3)クッキングシート(20cm×20cm)を2枚用意し、玉ねぎを等分にのせ、鮭とにんじんをのせ、ザワークラウト、レモンの輪切り、バター、チーズを等分にのせる。
(4)シートの角をそれぞれ持ち上げて両端をねじり、ボート形にし、耐熱皿にのせて電子レンジ600Wで8分加熱する。
<おいしさのコツ>
電子レンジで手軽に蒸し料理ができます。魚はレンジ加熱すると硬くならずにふっくらです。


【しめさばの卵炒め】
1人分324kcal/塩分2.0g
2404_P035-037_04.jpg材料(2人分)
ザワークラウト...50g
しめさば(市販品)...1枚
小ねぎ...1本
溶き卵...2個分
トマト...1個
サラダ油...大さじ2
(A)水...100mL
(A)鶏がらスープの素(顆粒)...小さじ1/4
(A)トマトケチャップ...大さじ1
(A)豆板醤・片栗粉...各小さじ1/2
作り方
(1)しめさばは2cm幅に切る。小ねぎは2cm長さに切る。トマトは2cm角に切る。
(2)フライパンに油大さじ1を熱して、ザワークラウトとトマトを入れ、中火で1〜2分炒めて取り出す。
(3)フライパンに残りの油を入れ、強火にしてしめさばと小ねぎを入れて炒め、卵を流し入れて半熟状に火を通し、取り出す。
(4)空になったフライパンに(A)を入れて強火で加熱し、とろみがついたら(2)と(3)を戻し入れ、ひと混ぜして火を止める。
<おいしさのコツ>
ザワークラウトの酸味と塩でさば特有のにおいが消され、さばのうま味がグッと増します。


肉レシピ
【チキンのポトフ】
1人分351kcal/塩分2.7g
2404_P035-037_05.jpg
材料(2人分)
ザワークラウト...100g
鶏もも肉...1枚(約300g)
塩...小さじ1/2
じゃがいも...1個
にんじん...75g
さやいんげん...4本
ローリエ...1枚
黒粒こしょう...10粒
水...2カップ
粒マスタード(好みで)...適量
作り方
(1)鶏もも肉はキッチンペーパーで水けを取り、半分に切り、塩を振る。
(2)じゃがいもとにんじんは皮をむき、各半分に切る。さやいんげんは両端を落とす。
(3)鍋に(1)と(2)、ザワークラウトを入れ、ローリエ、黒粒こしょうを加え、水を注ぐ。ふたをして火にかけ、煮立ったらふつふつする程度の中火にし、浮いてくるアクを除き、15〜20分加熱する。
(4)鶏肉と野菜が軟らかくなったら、火を止めて器に盛り、マスタードを添える。塩味が足りないときは各自で足す。
<おいしさのコツ>
圧力鍋がある場合は食材を全て入れ、ふたをして強火で加熱し、圧がかかったら火を止めます。これで、全体に火が通ります。


【豚肉のみそ焼き】
1人分204kcal/塩分2.0g
2404_P035-037_06.jpg
材料(2人分)
ザワークラウト(軽く汁をきる)...100g
豚肩ロース肉(筋切りする)...2枚(100g/1枚)
(A)みそ・しょうゆ・砂糖・酢...各小さじ1
(A)豆板醤・おろししょうが・おろしにんにく...各小さじ1/2
ごま油...小さじ2
作り方
(1)(A)を合わせて混ぜ、皿にのせた豚肉の両面にスプーンでかけ、なじませる。
(2)フライパンを温め、ごま油を入れて(1)をのせ、弱火で4分焼く。
(3)きつね色になったら裏返し、ザワークラウトを加え、ふたをして弱火で4分蒸し焼きにする。
(4)豚肉に竹串を刺してみて、澄んだ肉汁が出てきたら火を止める。豚肉を2cm幅に切り、ザワークラウトと器に盛る。
<おいしさのコツ>
豆板醤、にんにく、しょうがのみそだれをかけた豚肉にザワークラウトを加えて蒸し焼きに。


しっかり発酵 ザワークラウトの作り方
100gあたり21kcal/塩分2.4g
材料(できあがり500g分)
2404_P032_01_W500.jpg
キャベツ...500g
塩...小さじ2(キャベツ重量の2%強)

作り方
(1)キャベツは外葉2枚をはがして取り置く。
2404_P032_02_W500.jpg(2)芯を付けたまま5〜6mmの細切りにする。長さは不揃いでも大丈夫。
2404_P032_03_W500.jpg(3)ジッパー付きの袋に入れ、一晩冷蔵する。日本は温度が高いので、冷やすとその後の発酵がスムーズになる。
2404_P032_04_W500.jpg(4)ボウルにキャベツを移し、塩を加えて手でしんなりするまでもむ。
2404_P032_05_W500.jpg(5)瓶に詰めて上に(1)の外葉をのせる。
2404_P032_06_W500.jpg
(6)瓶に入るサイズのコップや小皿、小さい瓶等を瓶の口よりやや飛び出すように入れる。
2404_P032_07_W500.jpg
(7)ふたをすると重石をかけた状態になる。冷蔵庫に入れる。1日1回、ふたをあけて、中にたまったガスを抜き、発酵状態を確認する。
2404_P032_08_W500.jpg
(8)水分がキャベツの上まで上がり、白濁して細かい泡が立ったら発酵している。少し食べてみて酸味が感じられれば完成。重石を外して冷蔵する。
2404_P032_09_W500.jpg
できあがり
2404_P032_10_W500.jpg
・容器は完全に乾いて清潔なものを使用する。
・ザワークラウトは長期保存を目的とした、寒い地域の発酵食品。ただ、日本の気候や室内は近年温度が高いので冷蔵する。
・冷蔵で1カ月保存できる。
※保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合もありますのでご注意ください。
レシピ制作・調理・栄養理論/村上祥子 栄養価計算/ムラカミアソシエーツ栄養計算部 構成・取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)



<教えてくれた人>

管理栄養士・料理研究家
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

福岡県生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。栄養指導講座担当。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。