いたばしプロレスリング(以下、いたプロ)の10周年イヤー「5月5日大会」が同日、成増アクトホール(板橋区成増3)で行われた。(板橋経済新聞)

 メインイベントでの一幕

 冒頭、前回の試合中に左膝を負傷し向こう約1年間の欠場が決まったまるこ選手が「今日と今後の試合を楽しみにしてくれた皆さまには、心配をかけて申し訳ない。パワーアップしていたプロのリングに戻ってくるので、それまで楽しみに待っていてほしい」と呼びかけた。まるこ選手欠場に伴い、第5代タッグチャンピオンのはやて・まるこ組がベルトを返上した。新たに入門した澤畑良斗(さわはたよしと)練習生の紹介もあった。

 チケットは完売。300人の観衆が見守る中、全4試合を行った。第1試合は、トキワダイオー選手といたばし不動ッピー選手による20分一本勝負。トキワダイオー選手がときわ台駅前ロータリーアタック(体固め)でいたばし不動ッピー選手に勝利した。第2試合の3ウェーマッチでは、ハッピーロードマン選手、YANAGAWA選手、イタバシマスク選手が対戦。ハッピーロードマン選手がハッピーロードバスター(片エビ固め)で、イタバシマスク選手を下した。第3試合30分一本勝負のセミファイナルには、那須晃太郎・拳剛選手組とウルフ智也・郷トモロウ選手組が登場。今年2月にデビューを果たし今回が2戦目となる郷トモロウ選手が両選手に果敢に立ち向かうも、最後は那須晃太郎選手によるダイビングエルボードロップ(片エビ固め)で敗れた。

 メインイベントは時間無制限一本勝負。この試合をもって引退が決まっている「もうだまされないぞ(中里)哲也」選手が登場すると、会場は一段と大きな歓声に包まれた。中里選手はグレート・ピカちゃん・クワイエット・ストーム・小林香萌3選手と組み、ディック東郷・はやて・山田太郎・SAGAT各選手と対戦。一進一退の攻防の末、中里哲也選手が連結式マヒストラルを仕かけられ、はやて・ディック東郷選手が勝利を収めた。

 試合終了後、中里選手の引退セレモニーが行われた。「大好きな笑点の林家木久扇さんが『発展的卒業』をされたように、私も前向きに卒業したい。19年間、応援ありがとう」とあいさつ。中里選手は2004(平成16)年10月、ディック東郷・はやて選手によるプロレスラー養成所「SUPER CREW(スーパー・クルー)」1期生として入所し、1年間手ほどきを受けた後、2005(平成17)年10月22日、新木場1stRINGでデビュー。2007(平成19)年2月、レスリングドリーマーズに移り、トーナメント戦などで優勝。2014(平成26)年9月15日、いたばしプロレスリングに入団。メインイベントで子どもから大人まで幅広い世代に愛されるキャラクターとして活躍した。入場曲「イージー・ラヴァー」がかかり、「だまされないぞ、225ポンド、中里哲也」のアナウンスが流れると、会場全体が「哲也」コールで沸いた。はやて選手は「中里選手にはだいぶ助けられた。19年間、本当にありがとう」とメッセージを送った。最後に、出場した全選手で胴上げを行い、中里選手は19年間のプロレスラー人生に幕を下ろした。

 2014年に旗揚げし、今年で10周年を迎えるいたプロ。代表のはやて選手は12月に還暦を迎える。次回大会は7月21日にグリーンホール、10月27日には板橋区立文化会館大ホールで10周年記念大会を予定。観戦無料の試合は7月7日(平和公園)、同28日(不動通り商店街)に行う。