ジャパンラグビー・リーグワン ディビジョン1第15節が4月27日、熊谷ラグビー場(熊谷市上川上)で行われた。(熊谷経済新聞)

 初キャップを獲得した選手、新しい試みなどさまざまな記念が重なった第15節

 埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)に勝利し、開幕から15連勝となった。観客数は1万700人。

 今シーズン限りで引退する堀江翔太選手、内田啓介選手の最後のホームゲーム。試合は前半、ダニエル・ペレズ選手が先制トライ。花園Lに1トライを許し7−5で折り返す。後半4分、兄の山沢拓也選手とそろって先発した山沢京平選手がトライ。エセイ・ハアンガナ選手もトライし点差を広げる。花園Lも粘りを見せたが、埼玉WKはヴィンス・アソ選手、マーク・アボット選手が点を重ね、堅いディフェンスで守り切り、33−24で競り勝った。

 後半21分、堀江選手、内田選手が選手交代でピッチを後にすると、会場のあちこちから声がかかり、2人の勇姿に称賛とねぎらいの拍手が起こった。堀江選手は、この試合でワイルドナイツ通算200試合出場を記録。この日はプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)にも選ばれ、試合後にはセレモニーが行われた。ロビー・ディーンズ監督から花束を受け取った内田選手は「皆さん本日はありがとうございました。こんなに盛大に祝ってもらえてすごくうれしい。まだ試合は続くので、最後までワイルドナイツの応援をよろしくお願いします」と話し、堀江選手は「皆さん応援ありがとうございました。200キャップを勝利で決めることができた。今日ファーストキャップを獲得した選手たちと一緒にプレーできたことは光栄。試合は続くので最後まで、いつも通り、熱い応援よろしくお願いします」とそろって最終節、プレーオフへの応援を呼びかけた。

 ロビー・ディーンズ監督は「いろいろな理由から特別な日となった。内田選手、堀江選手のラストホストゲーム、堀江選手はワイルドナイツ通算200キャップ目の偉大な記録を達成した。同時に、木原優作選手、ゼイビア・スタワーズ選手がファーストキャップを勝ち取った」と説明。堀江選手がチームに与える影響についても言及し、「彼と一緒に仕事ができて光栄。この後も大事な試合が続くので、いい形で終われるように、(チャンピオンになって)いい贈り物ができるよう努めていきたい」と話す。

 この日、会場にはラストホームゲーム、堀江選手の200キャップを祝う多くのファンが駆け付けた。トレードマークのドレッドヘアを真似たウィッグを付けた人、名入りタオルを掲げる人、大きなパネルに「ラスボスありがとう」「祝200キャップ」と書き貼り出す人など、「この日のために準備した」というオリジナルグッズで応援する姿があった。市内在住の親子は「堀江さんもウッチーも引退だなんて寂しい。あと少しだが試合も練習も見に行きたい」と話した。チーム練習を見学した際、堀江選手から声をかけてもらったという女性は「堀江翔太・野武士見参」の青いちょうちんを掲げて参戦。「オーラがあって、会うと元気が出る」とほほ笑んだ。

 既にプレーオフトーナメント進出を決めている埼玉WK。5月4日の最終節でレギュラーシーズンを終え、5月18日からのプレーオフトーナメントで王座奪還に挑む。