茨城町地域おこし協力隊の中地朝子さんが6月から、連続講座「農と食の体験in茨城町」を開催する。(水戸経済新聞)

 体験する畑や周りの環境(写真提供=茨城町)

汽水湖涸沼(ひぬま)の近くにある下石崎地区の畑で、種まきから収穫、調理、実食するまでの工程を、6月から来年2月までの間に全6回行う。自然の豊かさや農業の難しさ、食べ物の大切さを学ぶ同講座。茨城県の大豆の伝統品種「茨城在来」を栽培し、最終回には育てた大豆でみそを仕込む。季節の野菜も育て、各回ごとに参加者で昼食を作って一緒に食べる。

 中地さんは大学生の時にアフリカで農業ボランティアを経験。農業法人に就職後、野草・食養生料理を学び独立。農薬や肥料を使わない農産物の生産・加工を行っていた経験がある。今回の講座では農薬を使わずに野菜を栽培する。

 2023年から同町のコミュニティースペース「koco・de(ココデ)」を運営している中地さんは、子どもたちと接する中で、野菜を食べる機会を増やす必要性を感じたという。普段は野菜を好まないという子どもが敷地内の畑で育てた取れたての野菜を「おいしい」と食べる姿を見て、今回の講座を企画した。

 中地さんは「私たちの体は食べた物でできている。命を頂いて生きているありがたさを感じ、体も心も喜ぶ『食』を感じてほしい」と話す。学生時代に身近に参加できる農業体験講座が見つからなかった経験から、「都会の大学生や新規就農を考えている人、親子で一緒に田舎でのんびり畑作業をしてみたい人など、気軽に参加してもらえれば」と呼びかける。体験講座とともに「茨城町の自然も楽しんでもらいたい。近くの湖でキャンプができるほか、自然公園もある。のんびり町を観光してほしい」とも。

 体験講座は茨城町ホームページの応募フォームから申し込む。開催は6月2日、7月7日、10月6日、11月3日、12月8日、2月2日の10時〜13時。締め切りは開催の1週間前まで。定員は30人。昼食付き。参加費は、大人=1,500円、大学・高校生=1,000円、小・中学生=500円、未就学児無料。第6回みそ造りの回のみ定員15人で、こうじ・塩代別途必要。