盛岡市動物公園ZOOMO(盛岡市新庄)で5月17日、子どもたちが同園の獣医師や飼育係と動物たちの身体測定を行うツアー「ZOOMO動物たちの身体測定2024」が開催された。(盛岡経済新聞)

 ヤギの赤ちゃんは人間が抱っこして一緒に体重測定。この日の体重は5キロほど

 同園では「人と動物と自然が共生する動物公園」をコンセプトに掲げ、動物や人の福祉につながる取り組みを園内などで実践している。今回は動物たちの身体測定をしながら園内を回り、人と動物の健康や共存について考えてもらおうと同ツアーを企画した。

 当日は岩手大学教育学部付属中学校の3年生を含め12人が参加。獣医師の松原ゆきさんを含めた3人の同園動物病院チームの職員と共に同園を回り、飼育されている動物の身長と体重を測定する様子を見学した。

 今回身体測定を行ったのは、ハチクマ、ヤマネ、キリン、フラミンゴ、アフリカゾウ、アカカンガルー、ヤギの7種類。「今日の目的の一つは、動物たちの健康診断」と松原さん。園内を移動しながら動物病院チームの職員らは健康チェックをするポイントを紹介し、「体の小さいヤマネは1グラムの変化が人間にとって数キロに当たる」「鳥類は体が大きくても、空を飛ぶために体重は軽い」「キリンは脂肪や筋肉の付き方を見て太り具合を見る」といった解説に参加者らが聞き入った。

 アフリカゾウのマオは健康チェックや治療を行うための訓練「ハズバンダリートレーニング」の成果を披露。飼育員が声で号令をかけ床に設置された体重計まで移動し、体重測定を行った。この日の体重は3910キロで、参加者らは「想像以上に重い」と驚きの声を上げた。

 先月生まれたばかりのヤギの赤ちゃんは人間が抱えて一緒に体重計に乗る形で体重を測定。測定に挑戦した吉田一喜さんは「ずっしりとした感じで温かい。普段は抱っこする機会がないので、意外に重いなと感じた」と話した。

 当日は、同園の動物病院改築に向けたふるさと納税型クラウドファンディングについても発表。施設の老朽化に伴い、現在は園内の非公開エリアにある動物病院を園内の中央に新設する予定で、動物たちが治療を受ける様子などを見学できる仕組みをつくり、同園で飼育する動物だけではなく野生動物の保護や保全にも取り組むという。

 辻本恒徳園長は「飼育動物も岩手の野生動物も守り、人間と動物の健康について考えられる動物病院にしたい」、松原さんは「新しい動物病院では、今回のように動物たちの健康チェックの様子も見てもらえるかもしれない。動物と人間、どちらの健康についても興味を持ってもらうきっかけになれば」と話した。