浸水被害で孤立者を救助する設定で、訓練に励む唐津署、伊万里署、糸島署の警察官=唐津市神田の平木場ダム

 隣接する警察署と大雨災害時の連携を強化するため、唐津署は14日、伊万里署と福岡県警糸島署に呼びかけ、唐津市神田の平木場ダムで合同の災害警備訓練を実施した。九州管区警察局や唐津市消防本部も含めた約50人で、出水期前に救助訓練をした。

 大雨特別警報が発表され、福岡県境がある浜玉町、伊万里署との署境にある肥前町湯野浦地区で浸水被害が発生し、孤立者がいる設定で行った。消防がドローンで上空から捜索し、唐津署が指示を出してゴムボートで救助に向かった。

 警察官が被災者と最初に接触することを想定し、消防による救命救急の講習もあった。糸島署とは昨年6月に初めて合同訓練を実施。7月に浜玉町平原の今坂地区で発生した土石流災害では、糸島署も周辺海域や沿岸部で行方不明者を捜索している。

 唐津署の辻俊彦署長(57)は「『備えあれば憂いなし』というが、その憂いを共通認識しておくことが、それに対処する一番の方法。訓練はそのために必要」と話した。(宮﨑勝)