公益財団法人あすて(住所)で5月18日、「丘KOBAプロジェクト」の「入社式」が行われた。(豊田経済新聞)

 丘KOBAプロジェクト始動 未来のモビリティーを担う「社員」が入社式に

 同プロジェクトは、2004(平成16)年に始まった「ものづくりなぜ? なぜ? プロジェクト」、2014(平成26)年からの「クルマづくり究めるプロジェクト」に続くもの。自動車関連企業のプロと子どもが一緒に未来のモビリティーを想像し、モビリティー開発に関連する知識・技術・技能を学びながら夢を形にしていく事業として、今年5月に始まった。

 豊田市、公益財団法人あすて、トヨタ自動車、アイシンの4社から成る実行委員会が主導し、プロジェクトへの参加希望者の中から選ばれた中高生34人と、自動車関連企業11社の従業員やOBなど約120人を「社員」と呼び、会社に見立てた4つのグループに分けて、およそ2年間、それぞれのテーマでモビリティー開発に取り組む。

 プロジェクト初日となったこの日は入社式が行われ、参加者をはじめ、太田稔彦豊田市長らが出席した。太田市長は、参加した子どもたちに向け、「社員と言われているが、給料は出ない。しかし、プライスレスな価値がこの2年間で得られ、感動や、やりがいを見つけられるプロジェクト。思いきり楽しんで、充実した2年間にしてほしい」と呼びかけた。

 参加者を代表し宣誓した豊田工科高校1年の宇佐美尚喜さんは「僕は将来、レストア車の仕事をしたいと考えている。今回の活動では仲間と一緒に協力して、旧社とエコの融合モビリティーの開発に取り組むのが楽しみ」と意気込みを見せた。

 同プロジェクトの加藤栄一プロジェクトリーダーは「今回の活動は、『こういうモビリティーを作りたい』という思いから発足した。参加した子どもたちはどんなことができるのかワクワクした気持ちで、大人は手探りでいろいろなことを自分たちで発していかないとものづくりは進まないのでプレッシャーもあるかと思うが、楽しさも感じてもらえると期待している」と話す。