初開催となった昨年度に続き、今年も「大阪コミックコンベンション2024」(以下、「大阪コミコン2024」)がインテックス大阪で開催され、初日の5月3日にはオープニングセレモニーが行われた。大勢のファンが駆け付けた特設ステージに登壇したのは、マッツ・ミケルセンにトム・ヒドルストン、ノーマン・リーダス、ソフィア・ディ・マルティーノ、クリストファー・ロイド、トーマス・F・ウィルソン、ピーター・ウェラー、テムエラ・モリソン、ダニエル・ローガンら豪華来日セレブたちだ。

アメコミ、映画、ポップカルチャーの祭典として人気を博すコミコンは、マーベル・コミックスの編集長を務め、スパイダーマンやアイアンマン、X-MEN、ブラック・ウィドウなど数多くのキャラクターを生み出してきた創造主、故スタン・リーと、アップル共同創業者の一人で“テクノロジーの父”と言われるスティーブ・ウォズニアックが立ち上げた「シリコンバレーコミコン」の姉妹イベントとして誕生。第1回の東京コミコン2016から毎年、海外の有名俳優や著名アーティストとのコミュニケーション、映画で使用されたプロップ(小道具)の展示&撮影、コスプレーヤー同士の交流の場などを設け、ポップカルチャーを愛する人々に熱狂と感動を届けてきた。

まずは、大阪コミコン2024のアンバサダーを務める斎藤工、PR大使のNMB48から安部若菜、川上千尋、上西怜、塩月希依音、坂田心咲を紹介。「かつてみんなが映画少年、映画少女で、ポップカルチャーに人生を彩ってもらった。僕なんかも、映画の側にどうしたらたどり着けるのかと思って現在があります。童心に戻ってポップカルチャーや夢を共有する3日間、最高の3日間にしたいと思います」と映画への熱い想いを語る斉藤によって大阪コミコン2024の開幕が宣言された。

来日ゲストのトップバッターで登場したのはマーベルの編集長、C.B.セブルスキーで、「ハロー!オオサカ!マイドー!コトシモタノシミマショー」と関西弁も交えた日本語の景気の良い挨拶で観客に呼びかける。

続いて、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのビフ・タネン役で広く知られるトーマス・F・ウィルソンが現れ、持参したカメラを観客席に向けながら「チーズ!」と撮影しまくり。ステージが見えづらい位置の両サイドや後方のファンにも煽りを贈るなどサービス精神も豊富だった。

さらに、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)で少年時代のボバ・フェットを演じ、コミコンには何度も参加しているダニエル・ローガン、同作のジャンゴ・フェット、ドラマ「ボバ・フェット」のボバにも扮したテムエラ・モリソンの「スター・ウォーズ」俳優が立て続けにステージに。全方位の観客に向けて丁寧にお辞儀をし、「オオキニ!」と呼びかける茶目っ気たっぷりなモリソンがなんともかわいい。

会場のボルテージが上昇していくなか、「マイティ・ソー」シリーズ、ドラマ「ロキ」のロキ役で絶大な人気を誇るトム・ヒドルストンの名前がスクリーンに。一際大きな歓声が響き渡るなか、笑顔で現れたヒドルストンが「オオサカニコラレテ、トテモウレシイデス」とコメント。

加えて、同じく「ロキ」のロキの変異体であるシルヴィ役を熱演したソフィア・ディ・マルティーノも呼び込まれ、「オマネキイタダキ、アリガトウゴザイマス」と丁寧な日本語で挨拶。大阪コミコンのステージに「ロキ」コンビがそろい踏みとなった。

お次は「ウォーキング・デッド」シリーズのダリル・ディクソン役でブレイクしたノーマン・リーダスに、大阪コミコン2023に東京コミコン2023と3期連続でコミコンに来てくれた“北欧の至宝”ことマッツ・ミケルセン。共にキャップを被っての登場で、ミケルセンはおなじみの指ハートと投げキッスを贈り、会場をさらに盛り上げていた。

登壇ゲストも残り2人。先に現れたのは、「ロボコップ」シリーズで主人公のマーフィを演じたピーター・ウェラーで、威厳を携えた姿に会場の空気が一瞬引き締まったものの、「ココニイラレテウレシイ!」とウェラーが呼びかけるとすぐに大喝采が巻き起こった。

そして最後は、ウィルソンに続いて「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのドクことクリストファー・ロイド。ウィルソンらほかのゲストが観客にもっと拍手を!と呼びかけるジェスチャーをするなど、まさにレジェンド降臨という光景だった。

セレモニーの最後は、おなじみの鏡割りを登壇者全員で試みることに。その準備の間、ヒドルストンとマルティーノが木槌を向け合って戦うマネをしてみたり、ゲーム「デス・ストランディング」で共演したリーダスとミケルセンが寄り添って自撮りをしたりと、セレブたちの自由でリラックスした貴重なかけ合いにファンが歓喜の声を上げる場面も。鏡割りも無事に成功し大阪コミコン2024がスタート。5月5日(日)までの3日間、大阪にポップカルチャーの嵐が吹き荒れる!

取材・文/平尾嘉浩