江戸時代まで諏訪神社(現・諏訪大社)とともにあった神宮寺由来の仏像などを一斉公開する「諏訪神仏プロジェクト」(同プロジェクト協議会主催)が、今年は26日に開催される。諏訪地方の寺院や神社、博物館約20施設で仏像や仏画の公開、御朱印の授与などを実施。25日には、プロジェクト実現に協力した人の名前を記した芳名録の法要と特別講演会を、当番寺院の慈雲寺(下諏訪町)で行う。

 同プロジェクトは、2022年10月1日から約2カ月にわたり、諏訪地方の25寺社と2博物館で仏像などを公開。江戸時代まであった神仏習合の姿に約150年ぶりに光を当てた。その後、有志らが、地域の歴史を引き継ぎながらより多くの人に一層の理解を深めてもらおう―と、協議会を立ち上げて毎年一斉公開を行うことにした。

 慈雲寺での法要は午後3時30分から。法要に先立ち、同寺近くの「宝光院」に安置されている諏訪大社下社春宮にゆかりのある薬師如来立像と不動明王像を、同院で修行する修験道「敬愛社」の講員が行列をつくり同寺に遷座。2体の像と各寺社が1年ごと持ち回りで保管する芳名録を本堂に安置し、法要を営む。

 続いて同4時から、特別講演会を開き、飯田市美術博物館の織田顕行さんが「春宮観照寺と薬師如来」と題して講話する。法要、講演会とも、参加無料で一般の参観や聴講も可能。

 26日の一斉公開はおおむね午前9時から午後4時まで。施設ごと公開内容や受け付け時間などが異なるため、同プロジェクト公式ホームページを確認するよう呼び掛けている。

 4月30日に仏法紹隆寺(諏訪市)で会見が行われ、同協議会の原直正会長は「ぜひこの機会に神宮寺由来の仏像を訪ね、改めて神仏習合に思いをはせてもらえたら」と話した。