Jリーグ・YBCルヴァン・カップ1次ラウンド3回戦(22日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=10試合)V・ファーレン長崎はJ1浦和を1−0で下し、8強入りを懸けたプレーオフに進んだ。V長崎は今大会とリーグ戦合わせて公式戦17試合連続負けなしとなった。
 V長崎は0−0で折り返した後半25分、右サイドバックのモヨが相手と競り合った後に乱暴な行為をしたとして一発退場。残り時間を10人で戦わなければならなくなったが、33分にフアンマがマルコスの右クロスを頭で合わせてリードを奪った。守備陣も数的不利の中で奮闘。GK若原の好守や、DF陣の堅守で追加タイム8分もしのぎきった。これで公式戦4試合連続無失点。
 J3富山は昨季のJ1王者神戸に1−1からのPK戦5−4で競り勝った。新潟は延長の末に秋田を2−0で下した。C大阪は琉球に1−0、名古屋は横浜FCに3−1。柏は前回王者の福岡を2−1で退けた。
 10チームが進んだプレーオフはホームアンドアウェー方式で実施。勝った5チームと、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場した3チームが準々決勝に臨む。プレーオフ第1戦は6月5日に行われ、V長崎は敵地で新潟と対戦する。

◎フアンマ弾 強豪倒す
 V・ファーレン長崎のエース、フアンマが数的不利に陥ったチームを救った。豪快なヘディング弾でJ1浦和を撃破。頼れるスペイン人FWは「サポーターの愛情を感じている。その感謝の思いを伝えるゴールができてよかった」と満面の笑みを浮かべた。
 前半はやや優位に進めていたが、後半は一進一退の攻防の中でモヨがレッドカードをもらい、苦しくなった。その劣勢をエースが一変させた。33分、相手DFを背負いながらマルコスの右クロスを頭で合わせてネットを揺らす。大歓声を浴びながら、仲間たちの歓喜の輪に包まれた。
 昨季のJ2得点王も、今季はベンチスタートが多い。メンタル面で難しい時期もあったが、家族や専門医と話す機会を増やして気持ちを立て直した。「浦和からのゴールは自分にとって大きな意味を持っている」。金星の立役者の目は、力強く自信に満ちていた。