ダニの活動が盛んになる季節がまもなくやってきます。ジメジメする季節の到来とともに、アレルギーなどを引き起こすダニの繁殖が活発になります。対策は?

 ダニは世界中に5万種以上はいると言われています。

 その中には、動物の血や体液を吸うダニがいて、病原体を保有するダニに刺されると感染症を引き起こす危険があります。

 名古屋市中川区の「あつた皮ふ科クリニック」。

 佐々木院長によると「刺す」ダニの正体は「イエダニ」とみられます。

 ただ、皮膚科の医師でも、ダニに刺されたかどうかを特定するのは簡単ではないということです。

 「皮膚科の医師でも、虫刺されはわかるけど、どの虫に刺されたのか推測するのは難しい。イエダニは赤い発疹が出るが、脇の下とか下腹部とか、太ももの内側とか体の皮膚の柔らかい部分に赤い、かゆい発疹がでるのが特徴です」(あつた皮ふ科クリニック 佐々木良輔院長)

 蚊は、服に覆われていない腕などを刺すことが多い一方で、イエダニは、露出していない部分を好んで刺します。

 ネズミに寄生するダニなので、再発を防ぐには、ネズミの巣を駆除する対策が必要だということです。

「ドブネズミは大体一軒家の天井裏とか、床下に巣を作って生きているので、もしイエダニらしい怪しい症状があったときは、一軒家の方だとネズミの巣を見つけて、それを駆除すると対策になります」(佐々木院長)

油断できない“別のダニ”も

あつた皮ふ科クリニック 佐々木良輔院長

 一方、暑くてじめじめするこの季節、油断できない別の「ダニ」も。

 「梅雨に入り、ジメジメして気温が上がると、これからアレルギーを引き起こす『ヒョウヒダニ』が増えてくる」(佐々木院長)

 布団や枕などをすみかにする「ヒョウヒダニ」は、目に見えないぐらいとっても小さなダニ。

 人を刺すことはありませんが、高温多湿の環境では人間のフケやアカをエサにして、爆発的に増えるといいます。

 その死骸やフンに触ったり、吸い込こんだりすると――

 「アレルギー体質の方が触れると、アトピーの症状がひどくなったり、ぜんそくの症状を起こしたり、鼻水などの鼻炎の症状を起こしたり、アレルギー症状を起こす原因のダニ。アレルギー疾患は子どものときに強くて、青年期になると軽くなる人も多い。どちらかというと子どものほうが多い」(佐々木院長)

人気のダニ対策グッズは――

「ダニ捕りシート」と「ダニ撃退スプレー」

 名古屋市にあるホームセンター「DCM21熱田店」では、ダニ対策グッズの販売数が例年5月上旬から梅雨入りにかけ、右肩上がりで増えるといいます。

 人気のダニ対策グッズは――
 
 「こちらの2つが人気です。ダニ捕りシートとダニ撃退スプレー」(DCM21熱田店 店長 広瀬尚彦さん)

 商品名とパッケージが可愛いらしいダニ捕りシート。その名も「さよならダニ―」。使い方は――

 「1個1個、切り離すことができます。頭付近と下の方に置く。この上からシーツ、マットレスを敷く」(広瀬さん)

 シートを置き、約2カ月後に捨てるだけ。ダニの好きなフェロモンが入っていて、1個あたりダニ約25万匹をごっそり捕獲してくれるといいます。

 さらに、スプレーは、ダニが発生しそうな空間やカーペット、ソファーに噴射。手間いらずの商品です。

ダニ対策のポイント

DCM 除湿シート 1628円

 ダニ対策のポイントは、他に――

 「ダニを退治するのではなく、除湿してダニの発生を防ぐ。ベッドに敷いて、湿気を吸収するもの」(広瀬さん)

 ダニはジメジメした湿度の高い環境を好みます。そのときに役立つのが「除湿シート」。

 敷布団やマットレスの下に敷きます。湿気を吸うとある変化が――

 「湿気を吸うとピンク色。乾燥するとブルーに戻る。ピンクになったら乾燥させて、また使う形」(広瀬さん)

 また、コンパクトな置き型タイプの除湿剤も販売しています。

 1個あたり約1リットル吸水可能で、4〜8カ月使用可能だといいます。

 「暑い日がどんどん増えているので、寝具を入れかえるタイミングで、ダニ対策グッズを入れかえてもらえるといいかと思います」(広瀬さん)