14日午前、長崎県南島原市で大規模な地すべりが発生しました。付近では3年前にも地すべりが起きていて、市は、今後の雨の降り方によっては地すべりが拡大するおそれもあるとして警戒しています。

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武末理宗記者:
「こちらの斜面で14日地すべりが発生しました。巻き込まれて倒れた木々も確認できます」

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南島原市南有馬町大抜地区で、14日午前8時ごろ、住民から「木を切るような音がする。地すべりが起きているようだ」と市に連絡がありました。

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市が現場を調査したところ、幅100m、長さ200mの地すべりを確認。けが人や住宅の被害は出ておらず、付近の市道3か所が通行止めとなっています。

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現場の上部付近では3年前にも大規模な地すべりが発生し、付近住民およそ100人が避難しました。

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付近住民:
「こわい。今回は下のほうにいっぱい流れて。バリバリバリていう木の倒れる音が長い時間続いた」

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3年前の地すべり斜面では、補強工事がほぼ終了いました。地すべりは、15日も進んでいるのが確認されていて、市は、付近の2世帯5人に高齢者等避難情報を発表。今後の雨の降り方によっては避難指示に切り替える可能性もあるとして警戒を呼びかけています。

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南島原市役所 総務部防災課長 永川賢一さん:
「土石流みたいなのが流れてきて、センサーに触れた場合、警報が出るような。あとメール等でお知らせするようなそういった対策を(県が)とるときいています。これから梅雨も控えていますし、警報級の雨も降る可能性もございますので、すぐに避難できるような態勢を地元の方たちには準備をしていただきたい」

地すべりのメカニズム(防災士でもある平地真菜 気象予報士)

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地すべりとは斜面の一部が地下水の影響でゆっくりと斜面下方に移動する現象です。

地面というのは様々な特徴の地層が重なってできています。

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《水を通しにくい地層》の上に《水を通しやすい地層》があったとします。
ここに雨が降ると…地面に水が浸透します。しかし下の地層は水を通しにくいので地層の間に水が溜まります。

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この水がいわば“潤滑油”のような役割をするイメージで上の地層が斜面の下に滑る現象が地すべりです。

地すべりは一般的に広範囲にわたって発生する現象です。井戸の水が濁ったり、地面にひび割れができるなどの前兆があった場合は注意が必要です。