広いため池を活用しようと、諫早市で1人の男性が活動を始めました。

「地域の活性化につなげたい」 その活動とは・・・。

▼森の中に「ツリーハウス」や「手作りブランコ」

ハンモックで遊ぶ子どもたち。その横にはブランコも。

(子ども)

「楽しい」

諫早市高来町にある「柳原ため池」。このハンモックやブランコは、広さ3ヘクタールの池のほとりに、1か月ほどで整備されました。

そしてその上には、ツリーハウスも。これらをつくったのが、ベトナム出身で諫早市在住の中瀬 謙さん50歳。

この日は、仲間が集まってツリーハウスのデッキに「手すり」を取り付けていました。

(中瀬 謙さん)

「ツリーハウスは、外国ではよく見かける。ベトナムでは作ったこともあって、皆、木の上で遊んだりする。外には柵を付けてテーブルをセットして、コーヒー飲みながらため池の風景を楽しむ」

▼ベトナム出身の男性が目指す “ため池”で地域活性化

1995年に来日した中瀬さん。日本人女性と結婚して、2010年には日本国籍を取得。

観光で訪れた長崎の自然にひかれ、10年ほど前に諫早市に移住しました。

外国人の人材派遣を行う会社を運営しているほか、諫早市内で農業や畜産業も行っています。

アイガモ農法のカモを飼育する池を探していたところ、このため池の存在を知り、去年12月、周辺の山林を含めて買い取りました。

(中瀬 謙さん)

「(ため池は)できてから110年ぐらいにはなっている。(今は))まったく活用していない。これだと(思った)。立派なものをいかせてないのはもったいない。何とか利用して、地域活性化をしたい」

購入後は周囲の木々の伐採など、1人で作業を続ける毎日。

ため池との出会いで “大きな未来”を描いています。

▼「ガラス張りのバンガロー」「ライダーハウス」など誰もが楽しめる場に

(中瀬 謙さん)

「地域活性化が目的なので、地域の子どもたちが入りたくなるようにする。今度、シーソーやターザンロープ。向こう側にログハウス(も作りたい)」

さらに、ため池の奥の方には・・・

(中瀬 謙さん)

「バンガローを何棟かつくってガラス張りにして、泊まる人がため池を見られるように。魚釣りもできる」

バイクに乗る人が素泊まりできるライダーハウスもつくり、全体をキャンプ場にする計画です。

時々、手伝いに来る仲間は。

(前田圭一さん)

「素晴らしいと思う。夢がある」

(山口政弘さん)

「ここ何をつくろうと中瀬さんが言うから、それに応じて。(中瀬さんは)行動派」

ため池では、ナマズやスッポンの養殖も計画しているそうです。

▼池の水を抜く大作戦!?

この日は「キャンプ場計画」を進めるため、ある行動に。

(中瀬 謙さん)

「スッーと音がしたら、もう水が流れてきている。4万8000㎥と言われているので、1週間はかかるでしょう」

なんと、池の水をすべて抜いて、中の様子を確かめるというのです。

ため池いっぱいにたたえられていた水は、11日後には・・・。

ほとんどなくなっていました。

(中瀬 謙さん)

「4人で入って、中にどんな魚がいるか、魚以外に何か入っているか見たい。行きましょうか。レッツゴー!」

中瀬さんのほか、友人のアメリカ人、イギリス人も集まり、4人で一緒に池の中へ。

いよいよ探索です。不法投棄のごみがないか。ナマズやスッポンの養殖に支障が出るような、外来種の魚がいないか。

発見したら、取り除く予定です。

(中瀬 謙さん)

「入った。鯉、大きい」

見つかったのはコイとみられる魚、十数匹。

(中瀬 謙さん)

「推測では、300匹くらい(魚が)いるのではと思っていた。(排水時の)水力が強いので、魚が一緒に流れたと思う。きれいで、ごみはほとんどない」

予想とは違い、外来種らしき魚は見つからず。

今後の計画に弾みがつきました。

(中瀬 謙さん)

「きょうは皆さん来ていただいて、ありがとうございました せっかくいいため池、眠っているのはもったいない。今後、皆さんも良かったら活用してもらいたい」

(イアン・シーマンさん)

「楽しかった」

(記者)

「また来たいですか?」

(フィンレイ・マキノンさん)

「はい。ここはいいと思う」

(トレバ・バルズさん)

「いい所になると思う。子どもたちと家族と一緒に、楽しい時間を過ごしたい」

使われていなかった広いため池を活用し、人々が集まり、楽しめる場所に。

今年中に 手づくりでキャンプ場の完成を目指すそうです。