英南西部コーンウォールのヘルストンで4月24日、あるひとり暮らしの高齢女性が自宅で亡くなった。通報を受け、遺体の収容に赴いた消防隊員のジェームズ・トロウンソンさん(52)は、遺体の側に1匹のテリアがいることに気がついた。

 収容作業をする際にも、そのテリアはなかなか遺体から離れようとしなかったという。近所の住民によると、そのテリアの名前は「マーサ」。8年間、亡くなった女性の“家族”だったという。

 ジェームズさんは、マーサを保護してもらうために地元の動物愛護施設に連れて行った。亡くなった女性には家族がいなかったため、新たに里親を探すという。

 ジェームズさんとマーサは最初から相性が良かったようで、施設に連れて行く間にすぐ仲良くなった。

 ジェームズさんはコーンウォールの農園に住んでおり、4年前に同じ動物愛護施設にいた「マーリン」というコリーの里親になっていた。「マーリンに友達がいたらいいのに」と思っていたジェームズさんは、迷うことなくマーサの里親になることを申し出て、認可された。

 マーサはすぐに農場の生活に馴染み、ジェームズさんやマーリンと楽しく暮らしているという。

 この心温まる話は、ヘルストン・コミュニティー消防署のフェイスブックに投稿され、英米のメディアが取り上げたため、注目を集めた。同署は投稿の最後にこんなことを書いている。

「時には悲劇から幸せが生まれることもある」