「魅力あるスタジアムとして、我々としては使ってみたい気持ちはある」

 1日、都内で行われた「築地地区まちづくり事業」に関する会見。築地市場跡地の再開発に携わる11社の企業グループに名を連ねる読売新聞グループ本社の代表取締役社長で、巨人のオーナーでもある山口寿一氏がこう言った。

 約19万平方メートルもの広大な築地市場跡地には、商業複合施設やホテル、シアターホールなどのほか、収容人数約5万人の屋内全天候型スタジアムが建設される。かねてからこのマルチスタジアムに巨人が本拠地を移転するとの情報が浮上していた。この日、山口オーナーは「巨人軍の移転を前提にした計画ではございません。そのような予定で進んでいるわけではない」と繰り返し強調しつつ、「使ってみたい気持ちはあります」と本音をのぞかせた。

新スタジアム開業予定の2032年度は巨人球団100周年

「現在の本拠地・東京ドームは1988年の開場から36年が経過、かねてから老朽化が懸念されていました。20億円とも25億円とも言われる、東京ドームの年間賃貸料もネックになっていた。“自前”の球場建設は巨人の念願でもあり、築地の新スタジアムへの移転が濃厚と聞いています」

 と、さる巨人OBがこう続ける。

「築地の新スタジアムの開業は2032年度の予定。今年、球団創設90周年を迎えた巨人にとっては、100周年の大きな節目にも絡んでくる。本拠地移転と100周年をセットで考えれば、8年後のチームの監督には当然、それに相応しい超大物の招聘が望ましいと考えている。松井秀喜の復帰が最有力だと見ていますが、8年後には松井も57歳になっている。32年の4月を43歳で迎える坂本勇人監督という可能性もあるのではないか」

 気の早い話ではあるが、築地新球場への移転話は、監督とセットで動き出しているようである。