7月26日に開幕するパリ五輪に出場する23歳以下のU23日本代表が、6月に米国カンザスシティーに遠征して、U23米国代表とテストマッチ2試合を行う。

 この時期は、FIFA(国際サッカー連盟)の定める国際Aマッチウイークに当たり、欧州組に招集要請しても所属クラブに拒否権はない。五輪本番を見据え、年齢制限のないオーバーエージ(OA)3枠を含めてフルメンバーで米国遠征に臨むことも可能だ。

 守備陣のテコ入れとして独ボルシアMGのDF板倉滉(27)、カタールでプレーしているDF谷口彰悟(32)、英リバプールのボランチMF遠藤航(31)らA代表常連がOAの有力候補として浮上する中、スペインの第一線で活躍している五輪世代のレアル・ソシエダードFW久保建英(22)の処遇も注目されている。

 そもそも大岩剛監督は久保について「この年代を牽引していく存在。本人の東京大会に続く五輪出場への意思も確認している」とパリ五輪メンバー入りが内定しているような発言を周囲に漏らしているともっぱら。飛び級で出場した2021年東京五輪の3位決定戦に敗れた直後、ピッチに座り込んで号泣した久保にとってパリ五輪は待ちに待ったリベンジの場になる。

「大岩監督は<ガムシャラに勝負に徹する欧州人的気質>をチームに植え付けてほしいと期待している。10歳でスペインの名門バルセロナの育成チームの入団テストに合格し、14歳までプレーしてスペイン語もペラペラ。Jリーグを経て18歳からスペイン1部でプレーしている久保のメンタリティーはピッチ内外で完全にスペイン人のそれですからね。もし久保を招集できたら、<OA4枠起用>のようなもの。大岩ジャパンにとって大きなアドバンテージです」(サッカー関係者)

 大岩監督は米国遠征で久保の加わった五輪チームを実戦テスト、そのままパリに連れていく青写真を描いている。