<ロッテ8−1西武>◇6日◇ZOZOマリン

ロッテ種市篤暉投手(25)が心機一転“3つの変化”で強風の試合を制した。

1つ目の変化は登場曲。プレーボール直前、これまでのしっとりとした邦楽ではなく、アップテンポな洋楽にのって登場した。「野手の皆さんに『前の登場曲の方が格好いいから変えてくれ』と言われた」と、19年から初の2桁勝利を挙げた昨年まで5年間使用した聞きなじみのある「High Hopes」が再びマリンに響いた。

2つ目はマウンドでの立ち方。風速12メートルの強風が吹き荒れた。「サード側に(体が)流れることが多かったので、できるだけ背中の方に重心を置いて立つようにしたら外側に流れることなくいけた」。効果はてきめん。初回、西武先頭の金子侑に二塁打を浴び、犠打で1死三塁とされたが「ボール先行だけはしないように」と落ち着いていた。遊ゴロと左飛で切り抜け、7回を無失点。「できるだけ低めを意識していけたのがよかったですし、なにより風のおかげでフォークがすごい落ちた」とマリンの名物を味方につけた。

3つ目はグラブ。左手には19年に一緒に自主トレをしたときにもらった千賀(現メッツ)から贈られた赤いグラブ。「家に飾ってました」と大切に保管していたが、使う時が来た。お化けフォークの先輩からも絶賛された鋭いフォークを武器に6奪三振。「一番ふがいないピッチングをしているので。その中でゲームを作れたのはよかった」と3月30日以来の白星に安堵(あんど)の表情を浮かべた。変化を恐れず、チームに3連勝と勝率5割復帰をもたらした。【星夏穂】

▽ロッテ吉井監督(7回無失点で2勝目を挙げた種市について)「前回は真っすぐが全くストライク入っていなかったが、ストライク入っていたので、少しは良くなった感じですかね」

▽ロッテ・ソト(風速12メートルの強風の中で先制の2ラン。第2、第3打席もあと1歩で本塁打の特大フライを放ち)「とてもいいスイングでいい当たりでしたし、自分の待っていた球種ではなかったのですが、ちょっと遅れてホームランになったので、バットの芯には当たった。(第2、第3打席も)とてもいい当たりでしたが、風が邪魔しました」