【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)22日(日本時間23日)=久保賢吾、斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、ダイヤモンドバックスのトレイ・ロブロ監督(58)から「大谷包囲網」を敷かれ、チームも連敗した。1回に痛烈な左前打を放ち、4試合連続安打をマークしたが、継投の前に2打席目以降は凡退。打線全体も沈黙し、今季3度目の0封負けで同地区のダ軍とのカードに負け越した。

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大谷が相手指揮官から完全マークに遭った。1回、先発のマウンドに上がったのはリリーフ左腕のヒューズ。ベッツ、大谷、フリーマンの「MVPトリオ」を封じるための秘策としてオープナーを選択した。大谷には安打を許したが、フリーマンが凡退し、2死一塁から先発要員で右腕のネルソンが送られた。

1イニングで交代する継投は近年定着してきたが、規定に定められている最低3人の打者と対戦しての交代は珍しい。「フレディ(フリーマン)の打席で走者を最小限に抑え、うまく対処できたと思う」。ロブロ監督のオープナーをさらに特化させた“ザ・オープナー”の策略にはまった。

4打席ともに「大谷対策」を徹底された。3、5回はネルソンの前に凡退。4打席目の7回には、3試合連続対戦となる変則左腕のマンティプライを起用され、一ゴロで凡退した。

ロブロ監督は00年にヤクルトでプレーし、日本の緻密な野球に触れた。ダ軍就任1年目の17年にはナ・リーグの最優秀監督に輝き、昨季もワールドシリーズに進出。ヤクルトで同僚だった古田敦也氏を2年連続で春季キャンプの臨時コーチに招くなど、探究心旺盛だ。「できるだけ彼らを封じることはできたと思う。オープナーをぶつけたことで、いい流れになったと思う」。継投策の狙いの1つはMVPトリオの分断で、3人での連打はなく、試合を支配された。