<明治安田J1:札幌3−3湘南>◇第10節◇27日◇札幌ドーム

北海道コンサドーレ札幌はホームで湘南ベルマーレと3−3で引き分け、3試合ぶり勝利を逃した。MF青木亮太(28)の2ゴールとMF近藤友喜(23)のゴールで、今季リーグ戦初の複数得点で一時3点リードするも、追いつかれた。勝てば暫定で残留圏に浮上していたが、最下位脱出に失敗した。

試合終了と同時に札幌はサポーターからブーイングを浴びた。ピッチの選手は、倒れ込んで天を仰いだ。3点をリードしながら、勝てなかった。前半23分に先制点、2−0の後半9分にこの日2点目を決めた青木は「こんな試合をしていたらブーイングを受けますよね」と受け止めた。自身今季初得点を挙げ、1点目はクラブのJ1ホーム通算300得点目の記念ゴール。ヒーローになるはずだったが、笑顔はなかった。

3バック中央で先発したMF宮沢が右腰を負傷して前半で交代した。相手の肘が当たり、打ちどころが悪く、しびれが出たという。ピッチ上でのまとめ役が退き、湘南に後半22分、40分と連続失点し、じりじりと詰め寄られると、後半追加タイム3分に右CKから同点弾を献上。逃げ切れなかった。マークがあいまいだった。「3−0から追いつかれるのは、絶対にあってはならない」と宮沢。悔しさをにじませた。

相手は24日にルヴァン杯アウェー秋田戦で延長120分を戦い、中2日での連戦だった。秋田からそのまま札幌に遠征。2日間札幌市内での現地練習で臨んだ。条件面では1週間ホームで準備できた札幌が有利なはずだった。それでも運動量で上回れず、ペトロビッチ監督(66)は「90分通して決して走れていなかった」。

今季は第2節以降1度も降格圏から抜け出せていない。開幕から10試合が終わった。青木は「こういうところで(勝ち点を)積み上げないと、ずっと下にいてしまう」と危機感を持つ。次節は5月3日アウェーでセレッソ大阪と対戦する。暫定首位の相手から勝ち点3を奪い取るためには、悪夢のドローに気落ちしている時間はない。【保坂果那】

○…今季横浜FCから加入したMF近藤が移籍後初得点を挙げた。1−0の前半42分、右CKからプロ2年目で初のヘディングシュートで追加点を奪った。リーグ戦フル出場もプロ初。前節広島戦では前半で交代したが、右サイドで90分奮闘した。「フルで出るのは1つの目標として移籍してきた。今日1歩踏み出せたのは良かった」と話した。

○…今季J2いわきから加入したDF家泉怜依(24)がJ1デビューを果たした。負傷したMF宮沢に代わって後半開始から3バック中央に入った。相手FWに競り負けず、ピンチを防ぐ場面もあったが、ミスもあり「ちょっとプレスがかかった時につなげばいいところを蹴ってしまった」と反省した。

○…元札幌の湘南DFキム・ミンテ主将(30)「(3失点後は)何点取られてもいいから、俺に任せてお前ら前に行けと言っていた。勝たなきゃ意味ない。プロなので」