パリ五輪水球男子日本代表GK棚村克行(34)が、3大会連続出場となる大舞台での飛躍を誓った。

10日、同じブルボンKZ所属の同代表筈井翔太コーチ(37)とともに、チーム拠点の柏崎市で会見。分厚い胸板で1次リーグ突破を目標に定めた。ブルボンKZからレンタル移籍でイタリアリーグでプレーするFP稲場悠介(24)はオンラインで参加。FP新田一景(26)は虫垂炎のため欠席した。

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棚村のスーツは、はち切れんばかりだった。「ちょっとキツイです」。胸囲は115センチ。そのパツパツさが、パリに向けて取り組んできた肉体改造の成果を表していた。体重は東京五輪出場時から5キロ増の85キロ。「出せる力の分母を大きくする」と1日6食の時期も設け、筋力トレーニングを増やしてきた。全ては、サイズで上回る海外選手の強力な「シュートを1本でも多く止める」ためだ。

代表のGKは西村との2人だが「勝負どころは自分」という自負がある。12位だったリオデジャネイロ、10位だった東京をへて迎える3大会連続の五輪。悔しさとともに得た糧があるからこそ、パリへの思いはひときわ強い。「リオの時は出場することが目標だった。今は選手、水球界ともメダルを狙うという意識に変わっている」と34歳のベテランは高みを見据える。

本番の1次リーグは、開催国フランス、東京五輪金メダルのセルビアなどと同じB組。6チーム中、上位4チームが準々決勝に進む。日本代表は今月末に集合し、6月3日からは地元柏崎市で1週間の合宿に臨む予定。棚村は「決勝リーグに進めるよう努力したい。1個1個のプレーに集中できるように準備する」と決意を込めた。【涌井幹雄】

○…イタリアからリモート参加した稲場も、力強く目標を掲げた。五輪は東京に続く2大会連続出場。「得点を量産して、個人としては得点王、ベストセブンを狙う。日本をベスト8に導きたい」と力を込めた。虫垂炎で会見を欠席した新田は、五輪初出場。「地道にやってきた成果。素直にうれしい」とのコメントを寄せた。

▼筈井代表コーチ 日本代表は予選リーグ(1次リーグ)を突破する力を持っている。チームが結果を出すためにサポートしていきたい。