<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本3−0スロベニア>◇男子ファイナルラウンド(R)◇準決勝◇29日(日本時間30日)◇ポーランド・ウッジ

世界ランキング2位の日本が、大会史上初の決勝進出を決めた。

準決勝で予選Rを首位突破した同3位のスロベニアと対戦し、3−0のストレートで勝利した。主要国際大会46年ぶりの表彰台入りとなる銅メダルを獲得した昨季に続く2年連続のメダルを確定。1977年ワールドカップ(W杯)以来47年ぶりの銀メダル以上が決まった。

運命の決勝は30日(同7月1日)。準決勝で世界1位のポーランドをフルセットで破ったフランスと対戦する。パリ・オリンピック(五輪)の前哨戦となる今大会で初優勝を果たし、ミュンヘン大会以来52年ぶりの五輪金メダルに挑む本番へ弾みをつける。

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どこに打ってもボールが落ちない−。驚異のつなぎで、予選R首位突破の強敵の心をへし折った。セットカウントを先取して迎えた第2セット(S)。終盤にビハインドを背負う展開となったが、22−23の場面で日本の粘りのバレーが本領を発揮した。白熱のラリー戦となったもののボールをつなぎにつなぎ、最後は石川祐希が強打で一蹴。26−25と逆転すると、西田がサービスエースを決めてセット連取に成功した。

第3Sも、終盤に5連続失点。20−23と追い詰められたが、その後は3度のセットポイントを石川の多彩なアタックでしのぐと、西田のバックアタックでマッチポイントを握った。最後は相手のスパイクがアウトとなり31−29。気持ちで押し切り、ストレート勝ちを収めた。

ブロック2本を含む両チーム最多の21得点を挙げた石川主将は「内容がいい試合ではなかったが、しっかり我慢できた。追いつかれた甘さが出たが、最後は1セットも落とさずに勝ち切れたのでよかった」と冷静に振り返った。勝利のカギを握ったレシーブについては、「途中から入った選手が守備で流れを作ってくれた」と評価した。

30日(同7月1日)は最強ポーランドをフルセットで破ったフランスと対戦。予選Rでは勝利を収めた相手だが、油断はない。石川は「決勝は僕たちにとって初めての舞台。どういう舞台なのかイメージしながら、五輪に必ずつながる試合になると思うので、とにかく自分の持っている力を出し切りたい」と、悲願の金メダル獲得、その先に待つパリへ気持ちを引き締めていた。