◆西武2―1オリックス(2日、ベルーナドーム)

 西武の新加入右腕コンビが本拠地初登板で盤石の投球を披露し、試合を締めた。1点リードの8回はソフトバンクから西武に移籍した甲斐野央(27)が1四球を与えながらも無失点で今季2ホールド目。9回は新守護神アブレイユ(28)が3人で片付けた。マスクをかぶった古賀悠斗は「2人とも勢いよく、迷いなく投げている」と頼もしげに見つめた。

 甲斐野はソフトバンクで、アブレイユも米大リーグヤンキースでそれぞれセットアッパーの実績を積み重ねてきた。そんな2人は3月31日の楽天戦でプロ初登板ながら初黒星を喫したドラフト7位ルーキー、糸川亮太=ENEOS=に対照的な態度で励ました。

 アブレイユは「あの場面はホームチーム(楽天)がどれだけ有利か分かっていて、誰が行っても大変な場面だった。まだ若いし、励ますまではないけど声をかけたかった」と、ロッカールームでアギラーやコルデロと寄り添った。

 一方で甲斐野は「ナイスピッチング!」と冗談めいた言葉をかけた。「全力を出しての結果だし、僕も何度もあんな経験をしている。ルーキーなのできついのかなと思ったけど、軽くいじりました」。ソフトバンク時代も森(現DeNA)や嘉弥真(現ヤクルト)からいじられ、切り替えられたという。

 「僕も打たれたときにはいじってくれと言っている」という甲斐野は、24日のヤクルトとのオープン戦で3失点した後、新加入左腕のヤンにいじられたことも明かした。糸川は「本当にみんなが寄り添ってくれてありがたかった」と感謝する。アブレイユは「僕も来日1年目だけど、みんなが助けてくれる。本当にこのチームはすごくまとまっている」と強調。グラウンドの内外で鉄壁のリレーをしている。