◆西武3―0オリックス(3日、ベルーナドーム)

 ドラフト1位新人左腕が強心臓ぶりを発揮した。西武武内が昨季覇者のオリックスに7回85球、1安打無失点。初登板初勝利にお立ち台で「最高です!」と絶叫した。

 緊張したのはマウンドに上がった初回だけ。「強打者にもしっかり腕を振ると心がけた」。ゆったりとしたフォームからこの日最速151キロの直球を軸に緩急をつけて二塁を踏ませなかった。四回は杉本、森、頓宮の中軸から3者連続三振。同じ福岡出身の昨季新人王、山下との投げ合いを制し、松井監督は「マウンドでの姿が堂々としている」と絶賛した。

 小学5年時に左肘を痛め、本格的に投手を始めたのは福岡・八幡南高に入ってから。国学院大での初先発だった2年秋の明治神宮大会2回戦、九産大戦で八回2死までパーフェクトで完封し「プロを目指す自信がついた」と体幹や体の効率的な使い方を磨き、球速を153キロまで伸ばした。

 春のキャンプで決め球不足を痛感すると直球の伸びやツーシームを磨き、この日は7三振を奪った。同世代の佐々木朗(ロッテ)や宮城(オリックス)に実績で差はあるが、成長速度は随一。「球界を代表する投手になる」と宣言した。(末継智章)