◆ソフトバンク5×―4西武(29日、みずほペイペイドーム)
 どうしてもソフトバンクに勝てないのか。9回2死一、二塁、西武の守護神アブレイユの一球が柳田の一振りでスタンドに吸い込まれる。松井監督は顔が凍り付き、しばらく動けない。2試合連続の延長サヨナラ負けの後は「あと一人」からの暗転。サヨナラ負けは今季7度目で、3試合連続は2001年8月以来23年ぶり。ソフトバンクには開幕6連敗だ。

 「アブレイユでやられたのでね…」。試合後、指揮官は言葉を絞り出した。

 理想的な展開だった。4回、中村剛の田淵幸一氏に並ぶ歴代11位の通算474号ソロで追い付き、5回に通算1000試合出場となった金子侑の3ランで勝ち越した。投げては先発髙橋が7回2失点の熱投。8回は水上が3人で抑えた。だがアブレイユは先頭への四球をきっかけに走者をためて被弾。髙橋の今季初白星も消えた。

 「いい流れだったので何とか取りたかったのでは」。そう報道陣に問われた指揮官は「全員にそういう思いはある」と強調した。ヒーローのはずだった金子侑は「苦しくても試合は続いていく。1日ずつ切り替えてやっていくしかない」と前を向いた。

 首位ソフトバンクと早くも10ゲーム差の最下位。所沢に戻って日本ハムと戦った後、5月3日からは再びタカと相まみえる。「まずは明日からしっかりやる」と松井監督。本当に「やる獅かない」。
(林 原弘)