◆ソフトバンク5×―4西武(29日、みずほペイペイドーム)

 40歳の大砲がまた新たな記録をつくった。西武の中村剛也内野手が1点を追う4回2死、スチュワートから3号ソロを放ち、阪神、西武OBの田淵幸一氏に並ぶ歴代11位の通算474本塁打に到達した。

 そこまでパーフェクトに抑えていたスチュワートの真っすぐを左中間テラス席に運んだ。初回には159キロの真っすぐで空振り三振。「ストレートがすごく速くて。打ちたいなと思った。うまく打てた? そうですね」。同じく美しい放物線でのアーチを量産した田淵氏に並んだことに「素直にうれしい。早く抜けるように」と喜ぶ。チームの大先輩の印象を問われ「全部がでかい人。体も人としての大きさも。どっしりした印象ですね」と目を輝かせた。

 開幕からベンチスタートの試合もあったが、チームが貧打に苦しむ今、7試合続けてスタメンで出場している。松井監督は「彼の打撃はチームにとって大きい。状態も上がってきた中だし。そこは頑張ってもらって」と信頼を口にする。

 中村剛はあと2本で広島、阪神で活躍した史上10位の金本知憲氏に並ぶ。「そこは気にせずに…」とは言うが、すぐ到達しそうな元気さがある。
(林 原弘)