自民党の派閥のパーティー券をめぐる事件で、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴された安倍派の会計責任者の初公判が10日午後、開かれました。一連の事件での初めての裁判です。

安倍派の会計責任者の松本淳一郎被告は、起訴内容についておおむね認めた上で、パーティー券収入の一部については、「認識していなかった」と述べました。

安倍派・清和政策研究会の会計責任者の松本淳一郎被告は、2022年までの5年間でおよそ6億7000万円のパーティー券収入と、ほぼ同額の支出を、派閥の収支報告書に記載していなかったとして、政治資金規正法違反の罪に問われています。

10日の初公判で、松本被告は起訴内容をおおむね認めた上で、2018年度と19年度のパーティー券収入の一部、いわゆる議員側が「中抜き」していた分については、「収支報告書の提出の時点で認識していませんでした」と述べました。

検察側は冒頭陳述で、前任者からの業務の引き継ぎで、ノルマ超過分の金額を除いて収支報告書に記入する説明を受けたとし、「虚偽の金額を記入することとなると認識したが、かねて、この方法で発覚してこなかったことなどから、虚偽記入を継続することとした」と指摘しました。

10日の裁判で検察側は、安倍派の日常的な経理事務では、収支報告書の作成は事務局の職員が行っていて、「議員が関与することはなかった」と指摘しました。

また、事件に関する、安倍派議員の供述調書などの証拠についても10日の法廷では明らかになりませんでした。

次回行われる被告人質問で、議員の関与について松本被告が発言するかが注目されます。